研究課題/領域番号 |
15K19833
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
放射線科学
|
研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
藤田 真由美 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 放射線障害治療研究部, 主任研究員(定常) (80580331)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2015年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 放射線がん治療 / 細胞浸潤 / 放射線照射 / 放射線抵抗浸潤細胞 / 炭素線照射 / リアルタイム観察 |
研究成果の概要 |
放射線治療では、治療後の浸潤、転移をいかに抑制できるかが重要である。申請者らは、PANC-1細胞は放射線を受けた後、浸潤細胞の数が増加することを見出した。そこで本課題では、①放射線照射後に生き残り、高い浸潤能を示す細胞の特徴をリアルタイム観察像から解析し、②これら放射線抵抗性浸潤細胞は、元々浸潤能が高かったのか、もしくは照射後のストレス応答の過程で浸潤能を獲得したのか調べた。その結果、PANC-1には元々浸潤能が高い集団が存在し、放射線に抵抗性であったため放射線照射後に選択的に生き残ったことが示唆された。またグルタチオン合成阻害剤により、この集団の浸潤能を効率良く抑制できることを見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放射線治療は侵襲のない局所療法であり重要ながん治療法のひとつであるが、今後、生存率をさらに向上させるためには、治療後の再発及び浸潤、転移をいかにして抑制できるかが課題である。我々はこれまでに、炭素イオン線照射はX線に比べ、大多数の癌細胞株の浸潤抑制に効果的であるが、PANC-1など特定の細胞株では浸潤細胞の数が増加することを見いだした。照射によるストレスに打ち勝ち、高い浸潤能を示す放射線抵抗性浸潤細胞は、放射線治療後の再発や浸潤転移につながる可能性が考えられ、これら細胞を効率良く抑制することは極めて重要である。よって本研究の結果は、放射線治療の発展につながる社会的意義が高い成果である。
|