研究課題/領域番号 |
15K20944
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 東海大学 (2019) 東京大学 (2015-2018) |
研究代表者 |
伊與田 英輝 東海大学, 理学部, 講師 (50725851)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2015年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 固有状態熱化仮説 / 孤立量子多体系 / 人工量子系 / 数値的厳密対格化 / 非平衡ダイナミクス / エンタングルメント / 数値的厳密対角化 / 厳密対角化 / 量子多体系 / グリーン関数 / 量子ドット / 物性理論 / メゾスコピック系 / 冷却原子系 / 非平衡物理 / 制御理論 |
研究成果の概要 |
冷却原子系・超伝導量子ビットなどの人工量子系において、高度な技術を用いて量子多体系の非平衡状態の制御が行われている。本研究では、それに関する理論を構築するため、主に単一のエネルギー固有状態が熱的だという固有状態熱化仮説(ETH)に注目した。ETHの一種であるweak ETHを証明し、それに基づいて熱浴の初期状態がエネルギー固有状態の熱力学第二法則とゆらぎの定理を短時間領域において証明した。また、数値的厳密対格化を用いてETHの有限サイズ効果を詳しく調べ、ETHの応用や拡張について調べた。また、量子情報のダイナミクスに関して、量子情報の非局所化についての数値的研究を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミクロで可逆な量子力学から、熱力学で特徴づけられるマクロで不可逆な性質をどのように導くかは古くからの基礎的な問題である。本研究におけるETHによる熱力学第二法則の証明は、量子力学だけに基づいて不可逆性の起源を理解するためにETHが有効であることを示しており、冷却原子系などの高度に制御された人工量子多体系の理解につながると考えられる。また、人工量子多体系を用いた量子コンピュータなどへの応用を考える際にも意義があると考えられる。
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