研究課題/領域番号 |
15K21666
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
神経生理学・神経科学一般
リハビリテーション科学・福祉工学
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
村田 弓 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (80512178)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2015年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 神経可塑性 / リハビリテーション / 把握動作 / 随意運動 / 神経科学 / 脳・神経 / 脳神経疾患 / 生理学 |
研究実績の概要 |
脳損傷後の機能回復メカニズムを明らかにするために、内包後脚に損傷を作成した内包損傷動物モデルを確立し、回復過程を調べた。母指と示指で小さな物体を保持する精密把握が可能な動物であるサルを対象に、第一次運動野の手領域からの下行路が通る内包後脚に血管収縮作用を持つエンドセリン-1を投与し、局所的な微小梗塞を作成した。梗塞後数ヵ月間にわたってつまみ動作の回復過程を調べた。その結果、梗塞作成後には、つまみ動作を含む手の運動に障害がみられた。また、第一次運動野に薬物による損傷を作成した脳損傷モデルを用いた研究を行った。脳損傷後の回復過程において、直径が異なる複数の孔から小さな物体 を取り出すテスト課題を用いて、成功率の変化を調べた結果、成功率が上下しながら回復する傾向が認められた。損傷作成後は、親指と人差し指で物体をつまむ精密把握が困難となり、指先以外の場所で物体を把持する代償的な把握動作が多く認められていた。成功率の経過には一時的な低下と上昇を示す時期があった。この時期には損傷前に近い、指先で物体を保持する精密把握が増える傾向が認められた。このことから、成功率の一時的な低下の時期に、把握動作の戦略の変化がある可能性が考えられた。また、損傷後に代償的な把握方法と精密把握の方法がどのように関連しながら回復していくかについてシミュレーションを用いた計算論モデルの手法を用いて検討した。その結果、計算モデルによって損傷後の回復過程における把握動作の変化を再現することができた。本結果を国際論文1件として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスへの対応により実験施設内への立ち入りができず、実験ができない期間があったため。
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今後の研究の推進方策 |
脳損傷を作成した動物モデルに対して把握動作課題を含む上肢を使った運動課題を用いて、随意運動機能の回復に関連する行動の変化や脳の変化を明らかにする。また、脳損傷後に生じる機能障害や機能回復に関わる神経細胞内の変化を組織学的な手法や薬理学的手法を用いて明らかにする。さらに、脳損傷後の回復過程における運動の学習過程について、数理学的な計算モデルの手法を用いて調べる。手の巧緻的な運動を必要とする把握運動トレーニングの開始時期の違いにより、手指の運動機能の回復過程にどのような影響が生じるのかについて明らかにする。
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