研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
4f電子の電気四極子が活性となる立方晶PrT2Zn20 (T=Ir, Rh)に着目し，四極子に起因する低温物性について調べた。自ら作製した純良な大型単結晶を用いて，レオン・ブリルアン研究所にて中性子散乱実験を行った。磁場によって誘起された反強磁性反射を観測し，四極子秩序の秩序変数を同定した。また，アウグスブルグ大学では，熱膨張と磁歪を0.05 Kまで測定した。体積磁歪が磁場にほとんど依存しないことを明らかにし，磁場に対する異方的な振る舞いを結晶場効果により説明した。一方で，熱膨張係数が低温に向かって発散的に上昇する振る舞いを見出した。これらの結果は，四極子と伝導電子の強い相関を示唆する。
銅酸化物やセリウム化合物などの強相関電子系では，主に磁気モーメント（スピン）が磁性や超伝導を担っている。本研究では，磁気モーメントよりも高次のテンソル量である電気四極子（異方的な電荷分布）に着目し，四極子と伝導電子の相関によって生じる電気的・磁気的性質について調べた。四極子の秩序状態を微視的プローブである中性子散乱により同定し，また熱膨張係数が秩序状態においても発散的に振る舞うことを初めて明らかにした。これらの結果より，四極子は磁気モーメントと同様に多彩な物性を担っており，強相関電子系における重要な自由度であることが分かった。
すべて 2019 2018 2017 2016
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (16件) (うち国際共著 4件、 査読あり 16件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (55件) (うち国際学会 15件、 招待講演 6件)
Physical Review B
巻: 99 号: 8
10.1103/physrevb.99.081117
Journal of Physics: Condensed Matter
巻: 31 号: 12 ページ: 125603-125603
10.1088/1361-648x/aafe51
Journal of the Physical Society of Japan
巻: 88 号: 4 ページ: 044703-044703
10.7566/jpsj.88.044703
40021866680
巻: 88 号: 5 ページ: 054704-054704
10.7566/jpsj.88.054704
40021885901
Physica B: Physics of Condensed Matter
巻: 536 ページ: 40-42
10.1016/j.physb.2017.07.062
巻: 536 ページ: 34-36
10.1016/j.physb.2017.09.004
Physical Review Letters
巻: 121 号: 7
10.1103/physrevlett.121.077206
AIP Advances
巻: 8 号: 10 ページ: 101338-101338
10.1063/1.5043132
Physica B: Condensed Matter
巻: Available on line ページ: 1-4
10.1016/j.physb.2017.11.002
巻: 86 号: 5 ページ: 054708-054708
10.7566/jpsj.86.054708
210000134368
巻: 95 号: 15 ページ: 155106-155106
10.1103/physrevb.95.155106
巻: 86 号: 12 ページ: 123703-123703
10.7566/jpsj.86.123703
210000134603
J. Phys. Soc. Jpn.
巻: 86 号: 3 ページ: 034707-034707
10.7566/jpsj.86.034707
J. Phys. Soc. Jpn. (Editor’s choice)
巻: 86 号: 4 ページ: 044711-044711
10.7566/jpsj.86.044711
210000134346
巻: 85 号: 8 ページ: 082002-082002
10.7566/jpsj.85.082002
40020880757
Phys. Rev. B
巻: 94 号: 7
10.1103/physrevb.94.075134
