アルカン合成関連酵素の構造ゆらぎ制御に基づく遷移状態制御

• 研究課題/領域番号: 15KT0139
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 特設分野
• 研究分野: 遷移状態制御
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 新井 宗仁 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90302801)
• 研究分担者: 林 勇樹 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (90444059)
• 研究期間 (年度): 2015-07-10 – 2018-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2017年度)
• 配分額: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円); 2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円); 2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円); 2015年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
• キーワード: タンパク質 / 酵素反応 / 分子動力学 / NMR / バイオエネルギー

研究成果の概要

最近、酵素反応における遷移状態の形成には酵素のグローバルな構造変化が必要であり、これが触媒反応の律速段階となることが明らかとなってきた。そこで本研究では、バイオエネルギー生産に重要な酵素AARとADOをモデルとして用い、分子動力学シミュレーション（理論）とNMR緩和測定（実験）によって酵素の構造揺らぎを検出した。次に、酵素の構造揺らぎを制御する上で重要なアミノ酸残基を探索し、それらの部位に変異を導入することにより、酵素の遷移状態を制御可能なことを示した。また、600個以上の変異体を作製する網羅的な変異解析により、両酵素の活性を制御する上で重要な残基の同定に成功した。

研究成果

• [雑誌論文] Unified understanding of folding and binding mechanisms of globular and intrinsically disordered proteins (2018)
  • 著者名/発表者名: M. Arai
  • 雑誌名: Biophysical Reviews 巻: 10 号: 2 ページ: 163-181
  • DOI: 10.1007/s12551-017-0346-7
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Interaction of the GntR-family transcription factor Sll1961 with thioredoxin in the cyanobacterium Synechocystis sp. PCC 6803 (2018)
  • 著者名/発表者名: Kujirai, J., Nanba, S., Kadowaki, T., Oka, Y., Nishiyama, Y., Hayashi, Y., Arai, M. and Hihara, Y.
  • 雑誌名: Sci. Rep. 巻: 8 号: 1 ページ: 6666-6666
  • DOI: 10.1038/s41598-018-25077-5
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Formation of the chaperonin complex studied by 2D NMR spectroscopy (2017)
  • 著者名/発表者名: Takenaka Toshio、Nakamura Takashi、Yanaka Saeko、Yagi-Utsumi Maho、Chandak Mahesh S.、Takahashi Kazunobu、Paul Subhankar、Makabe Koki、Arai Munehito、Kato Koichi、Kuwajima Kunihiro
  • 雑誌名: PLOS ONE 巻: 12 号: 10 ページ: 187022-187022
  • DOI: 10.1371/journal.pone.0187022
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] Highly Heterogeneous Nature of the Native and Unfolded States of the B Domain of Protein A Revealed by Two-Dimensional Fluorescence Lifetime Correlation Spectroscopy (2017)
  • 著者名/発表者名: Otosu Takuhiro、Ishii Kunihiko、Oikawa Hiroyuki、Arai Munehito、Takahashi Satoshi、Tahara Tahei
  • 雑誌名: The Journal of Physical Chemistry B 巻: 121 号: 22 ページ: 5463-5473
  • DOI: 10.1021/acs.jpcb.7b00546
  • 査読あり
• [雑誌論文] ラン藻由来アルカン合成関連酵素の高活性化と軽油生産性の向上 (2017)
  • 著者名/発表者名: 新井宗仁、林勇樹、工藤恒
  • 雑誌名: 月刊ファインケミカル 巻: 46 ページ: 19-25
  • 謝辞記載あり
• [雑誌論文] 多彩な戦略で挑むシアノバクテリア由来の燃料生産 ― 持続可能な第三世代バイオ燃料生産の最前線 (2017)
  • 著者名/発表者名: 日原由香子、朝山宗彦、蘆田弘樹、天尾豊、新井宗仁、粟井光一郎、得平茂樹、小山内崇、鞆達也、成川礼、蓮沼誠久、増川一
  • 雑誌名: 化学と生物 巻: 55 ページ: 88-97
  • NAID: 130006316058
  • 査読あり
• [雑誌論文] Comparison of aldehyde-producing activities of cyanobacterial acyl-(acyl carrier protein) reductases (2016)
  • 著者名/発表者名: Hisashi Kudo, Ryota Nawa, Yuuki Hayashi, & Munehito Arai
  • 雑誌名: Biotechnology for Biofuels 巻: 9 号: 1 ページ: 234-234
  • DOI: 10.1186/s13068-016-0644-5
  • 査読あり / オープンアクセス
• [学会発表] 進化分子工学によるフィチン酸加水分解酵素の低温活性向上 (2018)
  • 著者名/発表者名: 和田愛未、林勇樹、新井宗仁
  • 学会等名: 日本農芸化学会2018年度大会
• [学会発表] ラン藻由来アシルACP還元酵素の変異解析による炭化水素合成量の向上 (2018)
  • 著者名/発表者名: 工藤恒、林勇樹、新井宗仁
  • 学会等名: 第7回日本生物物理学会関東支部会
• [学会発表] 細胞内GTP定量センサーの開発 (2018)
  • 著者名/発表者名: 岡芳樹、竹内恒、林勇樹、新井宗仁
  • 学会等名: 第4回筑波大-KEK連携セミナー「生命の機能とかたち」
  • 招待講演
• [学会発表] ラン藻由来アルカン合成関連酵素の機能解析 (2017)
  • 著者名/発表者名: 工藤恒、名和良太、榛葉啓悟、林勇樹、新井宗仁
  • 学会等名: 第6回日本生物物理学会関東支部会
  • 発表場所: 早稲田大学先端生命医科学センター（東京都新宿区）
  • 年月日: 2017-03-13
• [学会発表] 進化分子工学によるフィチン酸塩加水分解酵素の活性向上 (2017)
  • 著者名/発表者名: 和田愛未、林勇樹、新井宗仁
  • 学会等名: 第6回日本生物物理学会関東支部会
  • 発表場所: 早稲田大学先端生命医科学センター（東京都新宿区）
  • 年月日: 2017-03-13
• [学会発表] In vivo real-time measurement of fatty aldehyde and its application (2017)
  • 著者名/発表者名: Yuuki Hayashi, Munehito Arai
  • 学会等名: 第55回日本生物物理学会年会
• [学会発表] 細胞内酵素活性の可視化によるアシルACP還元酵素の進化分子工学 (2017)
  • 著者名/発表者名: 林勇樹、新井宗仁
  • 学会等名: 第69回日本生物工学会大会
• [学会発表] 進化分子工学によるフィチン酸塩加水分解酵素の活性向上 (2017)
  • 著者名/発表者名: 和田愛未、林勇樹、新井宗仁
  • 学会等名: 第17回日本蛋白質科学会年会
• [学会発表] Structural and functional analysis of a cyanobacterial enzyme for alkane biosynthesis (2016)
  • 著者名/発表者名: Hisashi Kudo, Ryota Nawa, Yuuki Hayashi, Munehito Arai
  • 学会等名: 第54回日本生物物理学会年会
  • 発表場所: つくば国際会議場（茨城県つくば市）
  • 年月日: 2016-11-26
• [学会発表] Alanine scanning mutagenesis reveals functional roles of conserved residues in an enzyme for alkane biosynthesis (2016)
  • 著者名/発表者名: Masashi Nomura, Hisashi Kudo, Yuuki Hayashi, Munehito Arai
  • 学会等名: 第54回日本生物物理学会年会
  • 発表場所: つくば国際会議場（茨城県つくば市）
  • 年月日: 2016-11-26
• [学会発表] Improving activity of a phytate-hydrolyzing enzyme by directed evolution (2016)
  • 著者名/発表者名: Manami Wada, Yuuki Hayashi, Munehito Arai
  • 学会等名: 第54回日本生物物理学会年会
  • 発表場所: つくば国際会議場（茨城県つくば市）
  • 年月日: 2016-11-25
• [学会発表] Structural dynamics of a cyanobacterial alkane synthase studied by NMR and molecular dynamics simulations (2016)
  • 著者名/発表者名: Yuma Suematsu, Yuji O. Kamatari, Yuuki Hayashi, Munehito Arai
  • 学会等名: 第54回日本生物物理学会年会
  • 発表場所: つくば国際会議場（茨城県つくば市）
  • 年月日: 2016-11-25
• [学会発表] Search for the binding sites between two enzymes essential for cyanobacterial alkane biosynthesis (2016)
  • 著者名/発表者名: Mari Chang, Keigo Shinba, Yuuki Hayashi, Munehito Arai
  • 学会等名: 第54回日本生物物理学会年会
  • 発表場所: つくば国際会議場（茨城県つくば市）
  • 年月日: 2016-11-25
• [学会発表] Alanine scanning mutagenesis of a cyanobacterial alkane synthase (2016)
  • 著者名/発表者名: Keigo Shimba, Fumitaka Yasugi, Yuuki Hayashi, Munehito Arai
  • 学会等名: 第54回日本生物物理学会年会
  • 発表場所: つくば国際会議場（茨城県つくば市）
  • 年月日: 2016-11-25
• [学会発表] ラン藻由来アルカン合成関連酵素を利用したバイオエネルギー生産 (2016)
  • 著者名/発表者名: 工藤恒、名和良太、林勇樹、渡辺麻衣、池内昌彦、新井宗仁
  • 学会等名: 酵素工学研究会 第76回講演会
  • 発表場所: 東京大学（東京都文京区）
  • 年月日: 2016-10-07
• [学会発表] 脂肪酸アシルACP還元酵素のin vivo迅速活性評価法の開発 (2016)
  • 著者名/発表者名: 林勇樹、新井宗仁
  • 学会等名: 第68回日本生物工学会年次大会
  • 発表場所: 富山国際会議場（富山県富山市）
  • 年月日: 2016-09-30
• [学会発表] ラン藻でのアルカン合成に必要な2つの酵素間の結合部位の探索 (2016)
  • 著者名/発表者名: 張マリ、榛葉啓悟、林勇樹、新井宗仁
  • 学会等名: 第16回日本蛋白質科学会年会
  • 発表場所: 福岡国際会議場（福岡県福岡市）
  • 年月日: 2016-06-08
• [学会発表] アルカン合成酵素ADのNMRと分子動力学シミュレーションによるダイナミクス解析 (2016)
  • 著者名/発表者名: 末松佑麿、鎌足雄司、林勇樹、新井宗仁
  • 学会等名: 第16回日本蛋白質科学会年会
  • 発表場所: 福岡国際会議場（福岡県福岡市）
  • 年月日: 2016-06-08
• [学会発表] ラン藻由来アルカン合成関連酵素の構造機能解析 (2016)
  • 著者名/発表者名: 工藤恒、名和良太、林勇樹、新井宗仁
  • 学会等名: 第16回日本蛋白質科学会年会
  • 発表場所: 福岡国際会議場（福岡県福岡市）
  • 年月日: 2016-06-07
• [学会発表] バイオエネルギーをつくる (2016)
  • 著者名/発表者名: 新井宗仁
  • 学会等名: 東京大学教養学部統合自然科学科 駒場サイエンス倶楽部
  • 発表場所: 東京大学（東京都目黒区）
  • 年月日: 2016-05-20
• [学会発表] タンパク質のフォールディングとデザイン (2016)
  • 著者名/発表者名: 新井宗仁
  • 学会等名: 東京大学 大学院理学系研究科 物理学専攻 A7サブコース 第3回シンポジウム「生物物理の新展開」
  • 発表場所: 東京大学（東京都文京区）
  • 年月日: 2016-05-20
• [学会発表] ラン藻由来アルカン合成関連酵素の構造機能解析とバイオエネルギー生産への応用 (2016)
  • 著者名/発表者名: 工藤恒、名和良太、林勇樹、渡辺麻衣、池内昌彦、新井宗仁
  • 学会等名: 第16回 東京大学生命科学シンポジウム
  • 発表場所: 東京大学（東京都目黒区）
  • 年月日: 2016-04-23
• [学会発表] シアノバクテリアSynechocystis sp. PCC 6803における転写因子Sll1961とチオレドキシンとの相互作用解析 (2016)
  • 著者名/発表者名: 鯨井 純一、門脇太朗、新井宗仁、久堀徹、日原由香子
  • 学会等名: 第57回日本植物生理学会年会
  • 発表場所: 岩手大学（岩手県盛岡市）
  • 年月日: 2016-03-19
• [学会発表] ラン藻由来アルカン合成関連酵素の構造機能解析とバイオエネルギー生産への応用 (2016)
  • 著者名/発表者名: 工藤恒、名和良太、林勇樹、渡辺麻衣、池内昌彦、新井宗仁
  • 学会等名: 第5回日本生物物理学会関東支部会
  • 発表場所: 桐生地域地場産業振興センター（群馬県桐生市）
  • 年月日: 2016-03-11
• [学会発表] ラン藻でのアルカン合成に必要な2つの酵素間の結合部位の探索 (2016)
  • 著者名/発表者名: 張マリ、榛葉啓悟、林勇樹、新井宗仁
  • 学会等名: 第5回日本生物物理学会関東支部会
  • 発表場所: 桐生地域地場産業振興センター（群馬県桐生市）
  • 年月日: 2016-03-10
• [学会発表] シアノバクテリア由来アルカン合成関連酵素の機能解析及びバイオエネルギー生産への応用 (2015)
  • 著者名/発表者名: 工藤恒、名和良太、林勇樹、渡辺麻衣、池内昌彦、新井宗仁
  • 学会等名: 藍藻の分子生物学2015
  • 発表場所: かずさアカデミアホール（千葉県木更津市）
  • 年月日: 2015-11-16
• [学会発表] Functional analysis of the cyanobacterial enzyme for alkane biosynthesis and its application for bioenergy production (2015)
  • 著者名/発表者名: Hisashi Kudo, Ryota Nawa, Yuuki Hayashi, Mai Watanabe, Masahiko Ikeuchi, Munehito Arai
  • 学会等名: 第53回日本生物物理学会年会
  • 発表場所: 金沢大学（石川県金沢市）
  • 年月日: 2015-09-14
• [学会発表] Structural dynamics of a cyanobacterial alkane-producing enzyme, aldehyde deformylating oxygenase, studied by NMR and MD simulations (2015)
  • 著者名/発表者名: Yuuma Suematsu, Yuuki Hayashi, Munehito Arai
  • 学会等名: 第53回日本生物物理学会年会
  • 発表場所: 金沢大学（石川県金沢市）
  • 年月日: 2015-09-14
• [学会発表] The search for the binding sites between two enzymes essential for cyanobacterial alkane biosynthesis (2015)
  • 著者名/発表者名: Mari Chang, Yuuki Hayashi, Munehito Arai
  • 学会等名: 第53回日本生物物理学会年会
  • 発表場所: 金沢大学（石川県金沢市）
  • 年月日: 2015-09-13
• [学会発表] Residues essential for the alkane producing activity of aldehyde deformylating oxygenase revealed by alanine scanning mutagenesis (2015)
  • 著者名/発表者名: Keigo Shimba, Fumitaka Yasugi, Yuuki Hayashi, Munehito Arai
  • 学会等名: 第53回日本生物物理学会年会
  • 発表場所: 金沢大学（石川県金沢市）
  • 年月日: 2015-09-13
• [備考] 新井研究室のホームページ
  • URL: http://folding.c.u-tokyo.ac.jp
• [備考] 新井研究室のホームページ
  • URL: http://folding.c.u-tokyo.ac.jp/