研究課題/領域番号 |
16300085
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
認知科学
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
林 武文 (2005-2007) 関西大学, 総合情報学部, 教授 (90268326)
COOK N.D. (2004) 関西大学, 総合情報学部, 教授 (00268319)
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研究分担者 |
林 勲 関西大学, 総合情報学部, 教授 (70258078)
雨宮 俊彦 関西大学, 社会学部, 教授 (30151129)
乾 敏郎 京都大学, 大学院・情報学研究科, 教授 (30107015)
鈴木 公洋 太成学院大学, 人間学部, 講師 (00388670)
林 武文 関西大学, 総合情報学部, 教授 (90268326)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
14,860千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 660千円)
2007年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2006年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 視覚情報処理 / 奥行き知覚 / 逆遠近錯視 / 脳機能イメージング / 絵画遠近法 / 立体視 / 統合失調症 / 診断システム / 総合失調症 |
研究概要 |
人間の奥行き知覚におけるトップダウンとボトムアップの情報処理メカニズムの解明を目的に、逆遠近錯視を用いた心理実験によって錯視の要因を定量的に評価するとともに、fMRIを用いた活動部位のイメージングにより内部メカニズムの解明を進めた。また、研究を通して開発した評価手法を基に、精神疾患の診断システムの可能性について検討した。 fMRI計測の結果、錯視の成立時には、BA19/39、BA37/19、BA7および小脳に有意な賦活が見られた。これらの部位は、機能別の領域区分でそれぞれ、MT+(MT/MST)、視覚腹側経路、CIPに対応しており、空間情報と形状の情報を処理する領野が、ボトムアップの矛盾する空間情報を受けながら相互に賦活されることが明らかになった。 錯視強度の評価方法として,要因の統制と定量的評価が可能な、実物体を用いた一対比較法およびステレオグラフィックスを用いた両眼視差調整法を新たに開発した。従来の観察距離法との比較検討の結果,錯視強度の定量的な評価が可能であることを確認した。 開発した評価手法を精神疾患の診断基準として利用するために、断眠状態の被験者に対する錯視の知覚実験を行った。その結果、断眠時間の増加に伴って、錯視の成立頻度が低下する傾向が見られた。本研究で開発した逆遠近錯視図形と提示システムが、臨床医学分野の新しい診断手法としての可能性を有することが示された。 関連する基礎特性として、絵画遠近法からの奥行き知覚、両眼視差による面の知覚、運動視差による奥行き知覚、奥行き知覚に及ぼす身体動作の影響、眼球運動の影響などに関しても数々の有益な知見が得られ、人間の奥行き知覚メカニズムの解明に向けた今後の展開が期待される。
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