研究課題/領域番号 |
16330098
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
蘭 信三 京都大学, 国際交流センター, 助教授 (30159503)
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研究分担者 |
高野 和良 山口県立大学, 社会福祉学部, 教授 (20275431)
城 達也 大阪経済大学, 人間科学部, 教授 (70271608)
山本 かほり 愛知県立大学, 文学部, 助教授 (30295571)
倉石 一郎 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (10345316)
松浦 雄介 熊本大学, 文学部, 助教授 (10363516)
大久保 明男 東京都立短期大学, 文化国際学科, 講師 (10341942)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
2006年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2005年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | エスニック・マイノリティ / 社会参加 / 国民国家 / 社会統合 / 中国帰国者 / 比較社会学 / 帰還移民 / エスニック移民 / 脱植民地主義 |
研究概要 |
エスニック・マイノリティの社会参画と国民国家の社会統合は、戦後の多くの国民国家にとって難問であり続けた。社会統合が優先されればマイノリティに同化が強要されがちで、マイノリティの存在を優先されれば社会的な分裂や対立の可能性を胚胎しかねないからだ。このバランスは時代によって変化したが、いまグローバル化の中で世界的に外国籍の住民が増加し、より深刻な問題となっている。しかし、この問題は、第2次世界大戦前の帝国の時代にも宗主国民と被植民地出身者との関係からすでに胚胎されており、今日もその影響から免れていない。 さて、本研究は、このような問題意識にもとづいて、これまで本研究組織が蓄積してきた中国帰国者研究を基盤として、他の国々における本国帰還者を主な事例として問題状況を比較研究することであった。その結果、(1)中国帰国者は日本人として国家に包摂されたがために、同化が強制され社会参画は一面において進んだ。だが、他面で階層的には多くの帰国者は下層に位置づけられ、結果として社会参画は大変難しかった。(2)フランスにおけるアルジェリアからの帰還者(ピエノワール)も、社会的に孤立し、ドイツへの東欧・旧ソ連からのエスニック移民も、社会的に孤立しており、通常のエスニック・マイノリティとは異なる状況にあることが明らかとなった。 ここから、エスニック・マイノリティの歴史的経緯とその特徴によって、その社会参画も国民国家による社会統合も、異なるにとが指摘された。各エスニック・マイノリティとホストである国民国家の事情を詳細にすることで、上記課題への大きな手掛かりが得られるであろう。
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