研究課題/領域番号 |
16330141
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験心理学
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
大谷 芳夫 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (00192518)
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研究分担者 |
VAN Tonder G J (VAN Tonder G.J.) 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教授 (30362586)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
15,100千円 (直接経費: 15,100千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2005年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2004年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
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キーワード | 形態認識 / 中心軸 / フラクタル / マスキング / 眼球運動 / 視覚構造解析 / 配置 / 方位 |
研究概要 |
ヒトが環境を視覚的に認識する能力は、複雑な網膜画像を「意味ある」部分に分節し、それらを統合して全体的な知覚像として構成する過程に支えられている。本研究では、この「部分への分節」と「全体への統合」の過程を理解するために、分節と統合の過程の基礎にあると考えられる網膜画像情報の圧縮・効率化のメカニズムの解明を目指した。この目的を達成するために、心理物理学的手法と視覚計算論的手法を用いて以下の3項目に関する検討を行った。 (1)分節と統合の効率化を可能にする情報表現として、画像の中心軸構造が用いられている可能性を検討するために、中心軸構造の可視化を目指した実験的研究 (2)日本庭園などの自然画像が持つ中心軸の構造解析を目的とする計算論的研究 (3)画像の持つフラクタル特性と、眼球運動及び視覚的選好との関係解析を目的とする実験的研究 項目(1)については、当初計画したマスキング実験では可視化を実現できなかったが、平成17年度後半から導入した、点の配置と線分の方位に対する選好実験によって、中心軸表現の存在を示唆する定量的なデータを得た(公表準備中)。項目(2)については、研究分担者らが開発した中心軸変換法に基づく視覚構造分析を種々の日本庭園に適用し、芸術的価値が高いとされる景観が持つ視覚画像としての構造特性を明らかにした(研究成果参照)。項目(3)については、眼球運動計測装置と画像提示装置を統合した実験システムを構築し、2次元・3次元画像に対する眼球運動及び瞳孔径の変化をもとに、視覚的選好との関係解析を行った(公表準備中)。 本研究で得られた成果は部分的なものにとどまり、視覚系における画像情報の効率的表現の全貌を明らかにするには至らなかったが、今後さらに研究を進める上で有効な基礎資料を得ることができたと思われる。
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