研究課題/領域番号 |
16340021
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小林 亮 広島大学, 大学院理学研究科, 教授 (60153657)
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研究分担者 |
儀我 義一 (儀我 美一) 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (70144110)
長山 雅晴 金沢大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (20314289)
野々村 真規子 広島大学, 大学院理学研究科, 助手 (20333320)
三村 昌康 (三村 昌泰) 明治大学, 理工学部, 教授 (50068128)
上山 大信 明治大学, 理工学部, 講師 (20304389)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
2004年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | 多結晶 / フェーズフィールド / 特異拡散 / 多様体値関数 / 回転群 / 粒界 / 等長埋め込み / フェーズフィールドモデル / SO(3) / ドメイン成長 / 数理モデル |
研究概要 |
研究代表者は多結晶構造に関する問題にJ.A.Warren, W.C.Carterらとともに90年代なかばから取り組んできており、空間2次元(結晶方位も2次元)のモデルまでは完成していた。本研究の第一の目的は小林-Warren-Carterによって開発されてきた多結晶構造の形成と時間的変化を記述するモデル(KWCモデル)を2次元モデルから3次元モデルに拡張することである。この拡張は単に定義域の3次元化(こちらは比較的容易)だけではなく、値域の3次元化(すなわちSO(2)からSO(3)への拡張)を伴うために、大きな困難を伴うものである。(1)3次元モデルの定式化 (2)これに関連した数学的理論の整備 (3)数値計算技法の開発等が本研究のテーマであった。 本研究では、まず低次元空間(1次元、2次元空間)で定義されたSO(3)に値をとる特異拡散方程式を構成し、その数値シミュレーションコードを開発した。局所座標(Rodrigues vector)による表現と9次元ユークリッド空間への埋め込みによる表現の2通りの表現法の比較を行い、埋め込み表現の優位性を確認した。次に、この埋め込み表現を採用することにより、多結晶構造の時間発展を記述するモデル方程式の2次元コードを3次元コードに拡張した。SO(3)を9次元ユークリッド空間に埋め込み、正射影とペナルティ関数を用いることでSO(3)に変数値を制限するという方法を開発した。この方位方程式をフェーズフィールドの方程式とカップルすることにより、核生成から凝固、粒界の形成、結晶粒の成長(コースニング)という一連の過程の3次元シミュレーションが可能となった。 結晶構造の対称性を考慮に入れるために,SO(3)を結晶構造の持つ対称性を表す有限部分群で割った等質空間をユークリッド空間に等長に埋め込むことを幾何の専門家とともに追求したが、対称群が小さい場合は等長埋め込みを構成すること自体が困難であることが明らかになった。 本研究で開発されたモデルをベースに、卵割の過程を表現するモデルを提案しシミュレーションを行った。
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