研究課題/領域番号 |
16390350
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | (財)先端医療振興財団 |
研究代表者 |
千田 道雄 (財)先端医療振興財団, 先端医療センタ研究所, 副所長 (00216558)
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研究分担者 |
富永 英之 (冨永 英之) (財)先端医療振興財団, 分子イメージ研究グループ, 研究員 (00393348)
前田 潔 神戸大学, 大学院医学系研究科・精神神経科学, 教授 (80116251)
坂本 攝 (財)先端医療振興財団, 分子イメージ研究グループ, 主任研究員 (40344402)
幸原 伸夫 神戸市立中央市民病院, 神経内科, 部長
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2006年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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キーワード | PET / 臨床薬理試験 / ヒスタミンH1受容体 / ドキセピン / 抗ヒスタミン剤 / 再現性 / 動態解析 / 統計画像 / FDG / 脳糖代謝 / アルツハイマー病 / 軽度認知障害 / ドネペジル |
研究概要 |
PETを用いて医薬品の薬理作用や薬効をヒトで評価するために必要な要素技術を確立させるため、以下の項目について検討を行った。 PETデータの再現性について、脳疾患のない人や脳変性疾患の患者を対象に、2週間以内に脳FDG-PET検査を2回行った結果、大脳皮質のFDG集積の変動はSUV値で8.0-9.5%、全脳値でノーマライズすれば4.1-6.5%であった。薬物治療の効果や病変の進行を評価するためには、測定方法の標準化と再現性の確立が必要であると考えられた。 院内製剤として製造するPET用放射性薬剤を医薬品の臨床試験に用いる場合の品質管理に関しては規制当局のガイドラインがない。そこで、米国のcGMPをベースに作成された日本アイソトープ協会の2001年版基準に基づいて、C-11ドキセピン(DOX)、F-18フロロチミジン(FLT)、F-18フロロミソニダゾール(FMISO)、およびC-11PIB(アミロイドのトレーサ)を合成し品質管理する仕組みを構築し、先端医療センターのPET薬剤委員会の承認を得た。このうちFMISOはわが国で初めてヒトに使用した。 薬の連投の効果をPET測定する臨床薬理学的試験を行った。抗ヒスタミン剤のオロパタジンの中枢鎮静作用は連用により軽減するといわれる。そこで17名の鼻炎患者に、プラセボ、初回オロパタジン実薬投与直後、および4週間の実薬服用後の実薬投与直後の3回、DOXによる脳ヒスタミンH1受容体のPET測定を行った。51回にわたるDOXの合成は一定の品質で行うことができた。結果は、初回オロパタジン投与によりH1受容体結合能が軽度低下し、薬によって受容体が一部占拠されたことが示唆された。4週間連投後はH1受容体結合能が著名に低下し、受容体のダウンレギュレーションが起こっていることが示唆され、医薬品の薬理効果をPET測定できることが示された。
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