配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
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研究概要 |
既存の歯科用レジン系修復材料は高強度と高弾性を得る為に,分子内に剛直なビスフェノール骨格を持つBisphenol-A glycigylmethacrylate (Bis-GMA)やUrethane dimethacrylate (UDMA)などの高粘稠度ベースモノマーとTriethyleneglycol dimethacrylate (TEGDMA)などの低粘稠度モノマーとから構成される架橋性モノマー系が用いられる。特に,Bis-GMAは高弾性レジンを得る為には有効であるが,内分泌攪乱作用が懸念されている。 我々は塩基性基を持つ脂肪族ベースモノマーであるUDMAと酸性基を持つ脂肪族酸性モノマーで構成される共重合系を構築し,その重合反応時に共有結合と水素結合で構成される極めて架橋密度の高い環状構造を構築することにより,Bis-GMA以上の機械的性質を発現させることが出来ることを明らかにした.また,環状構造を構成する結合に水素結合を含んでいるが,脂肪族酸性モノマーとしてメタクリル酸(MAA)を選択する時,UDMAに対してMAAを2倍モル含むレジンの長期水中浸漬時の機械的性質の劣化率は従来レジンと同様であることをも明らかにした. マトリックスレジンとしての可能性を探る複合材料は,UDMA/MAAレジンが従来の典型的なマトリックスレジンと較べて約2倍の飽和吸水率(6.5%)を示すことに着目して,修復材料に齲蝕予防機能を付与出来るグラスアイオノマーセメント用フルオロアルミノシリケートフィラーを用い,フッ素徐放性複合材料用マトリックスレジンとしての可能性を検討した.その結果,内分泌攪乱作用を招く芳香環状構造を持っていないモノマーを用いているにも係らず代表的な市販修復用複合レジンであるClearfil AP-X以上の機械的性質を持ち,且つ,フッ素徐放性をも可能とした複合材料を作り出すことが出来た.
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