研究課題
基盤研究(B)
1.飼育オマキザルを用いてその赤-緑オプシン遺伝子型を調べ、それらに対する色覚刺激弁別実験を行い、遺伝子型と表現型が一致することをヒト以外の霊長類ではじめて示した2.2色型色覚は色カモフラージュを見破る能力に優れており、それにより自然界で色覚型によりニッチの棲み分けが可能であるという仮説があった。しかしヒト以外の霊長類で2色型色覚の色カモフラージュを見破る視覚能力を検証した研究はなかった。そこでオマキザルの2色型と3色型、旧世界ザルのカニクイザルと類人猿のチンパンジーに極低頻度にそれぞれ見出されていた2色型と異常3色型及びそれらの3色型個体に対して飼育下で色カモフラージュ視覚刺激弁別実験を行い、2色型のオマキザルとカニクイザル、異常3色型のチンパンジーの方がそれぞれの3色型色覚個体より色カモフラージュを見破る視覚能力に優れていることを示した。3.コスタリカの野生オマキザルとクモザル集団に対して糞からの色覚型判定を実施し、色覚多型が実際の野生群に存在することを、タマリンの2種混合群という特殊なケースを除けば世界で始めて示した。また、この成果によりはじめて野生群での色覚型と行動の関連を研究することが可能となった。4.コスタリカの野生オマキザルの昆虫採食に注目し、色カモフラージュした昆虫の採食効率は野生下でも2色型の方が3色型より実際に高いことを世界ではじめて示した。5.果実食であるクモザルの果実採食効率において2色型と3色型間に有意差がなく、色覚型によらず果実採食効率と正相関するのは果実と背景葉との色のコントラストではなく明度のコントラストであることを示した。ただし今後より多くの果実種について光学データと行動観察データを集積し、この結果の一般性を検証する必要がある。6.これらの他間接的に関わることとして、夜行性霊長類の視物質レパートリー解析及び霊長類のモデルとして高度な色覚を有する魚類の視物質レパートリーとそれらの発現メカニズムの解析を行なった。
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