研究課題/領域番号 |
16510004
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
長島 秀樹 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (10087570)
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研究分担者 |
山崎 秀勝 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (80260537)
根本 雅生 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (90221481)
乙部 弘隆 東京大学, 海洋研究所・国際沿岸海洋研究センター, 講師 (10169328)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 大槌湾 / 熱収支 / 水温予測 / 吹送流 / 海水交換 / 乱流散逸率 / 水温変動 / 三陸内湾 |
研究概要 |
大槌湾をモデル内湾として、水温変動予測モデルを開発することを目標に、それに係る物理プロセスの解明を行った。1)1978年から1999年までの22年間に蓄積された気象・海象資料をもちいて海面を通しての熱収支の経年変化を明らかにした。これによると、海面熱収支は80年代と90年代では明確な差があり、大槌湾は80年代半ばまでは海面を通して暖められる傾向があったのに対し、90年代は冷却される傾向にあった。これらの要因は90年代における夏季日射量の減少、冬季における潜熱輸送の増大であることが明らかとなった。しかしながら、湾内の熱含有量の時間変化には明瞭な経年変化は見られず、海面過程を湾口過程が補っていることがわかった。2)また、海面熱収支の経年変化のスペクトル解析から、約4年周期の変動が卓越することがわかり、ENSO現象との関連性が示唆された。しかし、1988年頃に見られる海面熱収支の明瞭なジャンプについてはENSOでは説明がつかず、むしろAOインデックスとの関連性が示唆された。3)大槌湾の湾内2点において乱流観測を行い、湾内の鉛直混合の強さを調べた。計測された乱流散逸率(ε)は、概して10^<-7>〜10^<-8>W/kg程度であったが、湾内の15-20m深度で10^<-6>W/kgを超える高い値を示した。4)冬季に卓越する西よりの風による湾内の流れを、汎用数値モデルGETM(General Estuarine Transport Model)をもちいて再現した。これにより、湾外流出は上層で、湾内への流入は下層でみられるが、その境界は湾中央部の横断面でほぼ海面下8-10mであり、観測結果をよく説明した。5)湾内水温予測モデルを作成した。モデルはARおよびARMAを採用した。海面下1m層で取得された1978-2003年の水温資料からフィルター係数を決定し、これを用いて2004年の年間水温予測を行った。データは日平均水温をそのまま用いる場合と平均的な季節変動からのアノマリを用いる場合を解析した。その結果、90年代の資料を用いて季節変動のアノマリをARMAで解析した結果がもっとも精度が高く、2004年の水温をバイアス0.58℃、標準偏差0.88℃の範囲で予測することができた。
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