研究概要 |
本研究の目的は、「プロジェクトマネジメントによる顧客価値基準の収益管理システムを理論的・実証的に研究すること」である。この目的に即しで設定された,3つの研究課題に関わる研究成果の概要は,以下のとおりである。 1.研究課題I「収益態様としての固定収益及び変動収益概念についての研究」 A社から研究のために提供された収益及び費用、物量データについて実証分析,およびA社に対するインタビュー調査にもどついて収益区分や費用区分,利益計算,評価概念についての考察を行い,独自の収益固定収益概念を発案し,その概念に依拠した収益管理会計に関する理論フレームワークを,顧客関係性の評価と顧客関係性構築の計画策定という2つの視点から構築し,対外発表(論文および著書,学会報告)をした。 2.研究課題II「収益作用因としての顧客価値基準についての研究」 「規定要因-顧客態度-顧客行動-財務成果」というモデルを考案して,B社の研究協力のもとに2つのアンケート調査(顧客満足調査および従業員満足調査)を2ヵ年にわたり実施し,固定収益作用因の探索のための方法論として対外発表(著書および学会報告)をした。加えて,収益作用因についての理解を深めることを目的として新たなアンケート調査の実施した(体外発表は2006年度予定)。 3.研究課題III「収益管理技法としてのプロジェクトマネジメントの管理会計への適応についての研究」 研究者と実務家からなる研究会やインタビュー調査によって,収益管理技法としてのプロジェクトマネジメントの管理会計への適応枠組みについての理論的考察を行った。さらに,それを踏まえて,標的市場に対応したプログラム概念及びプログラム実行のための部門横断組織としてのプロジェクト概念を立案し,それらの概念にもとついて収益管理会計の理論フレームワークを検討し,対外発表(著書および学会報告)をした。
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