研究課題/領域番号 |
16530474
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験心理学
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
田多 英興 東北学院大学, 教養学部, 教授 (90045675)
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研究分担者 |
大森 慈子 仁愛大学, 人間学部, 准教授 (90340033)
大平 英樹 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (90221837)
友永 雅己 京都大学, 霊長類研究所, 准教授 (70237139)
廣川 空美 梅花女子大学, 看護学部, 准教授 (50324299)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 瞬目率 / 瞬目時間 / 単独瞬目 / 生息条件 / 身体サイズ / 系統発生 / 生息環境 / 瞬目 / 霊長類 / 個体発生 |
研究概要 |
研究代表者は、本研究の前に科研費の援助を受けて、3ヶ月児から93歳の高齢者までの14の年齢集団約1400名のデータに基づいて、内因性瞬目の発達的変化に関する研究を行った。その結果、新生児はほとんど瞬目をしないが、その後徐々に増加し、10歳前後でほぼ成人の域に達し、その後は高齢者まで大きな変化はないこと、などを中心に瞬目の発達過程に関するかなり詳細な記述をした。この成果を元にさらに系統発生の実態を霊長類で検討しようとしたのが本研究である。解析は、瞬目率、瞬目持続時間、それに単独瞬目率(頭部運動を伴わない瞬目の回数)の各測度について、貢献因子として当面考えられた、身体サイズ(体重・頭胴長)、2つの系統差(通称の4水準、科の7水準)、生活リズム(夜行性と昼行性など)、生息環境(樹上性と地上性など)、ついて実施した。その結果、霊長類の瞬目率と瞬目時間は平均するとヒトのほぼ半分になる。つまり、頻度も時間も極めて小さい、ことが明らかになった。しかし、これを種ごとに大小の順位で並べてみると、瞬目時間には余り大きな差はなかったが、瞬目率と単独瞬目率の変異は極めて大きいことが分かった。この差をもたらす要因は何かが問題であるが、当面の結論は、「瞬目は、1)夜行性から昼行性へ、2)樹上性から地上性へ、3)小さいサイズから大きいサイズへ、そしてしたがって、4)系統の順序に従って、1)瞬目率の上昇、2)単独瞬目率の上昇、しかし、3)瞬目持続時間には影響が少ない」という、個体発生と近似する傾向を認めたことである。しかし、さらにチンパンジーは赤ちゃんで既に瞬目が頻発するという予想外の観察をして、今また混乱している。また、日常的な観察によれば、霊長類以外でも結構頻発する種や個体がいることも観察していて、今後に残された問題も多いことを注記しておきたい。
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