配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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研究概要 |
電力市場の規制緩和・自由化の進展により電力系統を取り巻く環境は,電力託送やIPPなどの多様な事業形態が混在する環境へと移行しつつある。このような規制緩和の動きは,発電,流通,配電の各部門における電力系統の運用・制御に大きな影響を与えつつある。のような競争環境においては,電力系統の計画を客観的かつ高精度に評価することが重要な課題であり,電力系統の経済性や信頼性をより効率的に解析・評価する技術の重要性が高まっている。本研究では,このような背景を踏まえ,マルチエージェントシステムの系統運用への適用可能性を探るために,「設備補修計画」「発電機起動停止計画」そして「基幹系事故復旧」について検討した。いずれもモデルシステムを構築し,複数の計算機を連携した試験を実施し,提案方式の有効性を確認した。 本研究により,マルチエージェントシステムの系統運用への適用可能性が十分あることが明らかになったと思われる。これまで「集中型監視制御システム」として行われていた系統運用は,電力ビジネス革命に対応できるように「分散型システム」として見直す場合に,マルチエージェント技術の適用可能性が明らかになったと考えられる。しかしながら,規制緩和の進展とともに,発電・流通・配電の各部門の業務の分割が進展する中で,電力系統の安定性および信頼性をどのように維持していくかという問題は,電力自由化が抱える大きな課題の一つであると考えられる。特に,1996年に発生した米国西部地域での大規模停電,および2003年のニューヨーク・カナダ大停電などが,電力市場の自由化が進展する中で電力システムの信頼性確保のあり方を喚起するきつかけになっている。 今回検討した事項は,系統運用全体からすると極めてわずかな部分をカバーするに過ぎないため,今後更なる検討が必要である。その際に,本研究で得られ知見が重要な役割を果たすものと考えられる。
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