研究概要 |
本研究は、土の破砕性の程度が、調査設計のような工学的な検討においてどのような意味を持つかを明確にするという観点から、2年間で下記の点について研究を行うものである。 (1)画像解析を用いた子の移動を捉えることが可能な測定方法の確立 (2)(1)の土質試験への適用と局所変形の取得 (3)(1)の室内小型模型支持力試験への適用と局所変形の取得 (4)(2)や(3)で得られた結果を踏まえた土の破砕性と局所変形性状に対する分析 平成17年度に得られた結果は以下のようになる。 (1)画像解析を用いた粒子の移動が可能な測定システム(PIV)の確立することが出来た。 (2)(1)を三軸圧縮試験への適用し、三次元計測を可能にできた。その結果、せん断層の局所的な体積ひずみの経時変化を求め,宇部まさ土のせん断層は,応力のピークから残留状態に至る過程で圧縮を伴いながらせん断されていることが明らかとなった.さらに,せん断層の角度を平面ひずみ圧縮試験から得られるその角度と比較したところ,平面ひずみよりも低い角度でせん断層が形成されることが明らかとなり,最大応力傾角面と伸び縮みしない方向の角度の差で正規化されたせん断層の角度は,材料の供試体幅に対する粒子径の大きさに加えて,圧縮性に依存することが示唆された。 (3)各種の地盤材料に対して,支持力試験を行い,地盤変形の定量化,支持力特性と材料特性との比較を行った.その結果、(1)PIV手法を用いて,各材料の進行性破壊の評価が可能となり,本研究で用いた材料の中では豊浦砂が最も進行性破壊の程度が大きいものとなった.(2)材料の限界圧力と支持力挙動および地盤の破壊形態に関連性があることが推察された.つまり,フーチング直下の土要素が膨張傾向を示す場合,全般せん断破壊となり,これに対して,フーチング直下の土要素が収縮傾向を示す場合,局所せん断破壊となると推察された.
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