研究課題/領域番号 |
16590368
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 国立感染症研究所 (2006) 大阪市立大学 (2004-2005) |
研究代表者 |
小林 和夫 国立感染症研究所, 免疫部, 部長 (20142432)
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研究分担者 |
松本 壮吉 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 助教授 (30244073)
藤原 永年 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (80326256)
前田 伸司 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50250212)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 結核 / 非結核性抗酸菌感染症 / 細胞壁表層成分 / 病原因子 / 感染防御 / 宿主応答 / 血清診断 / 新規ワクチン開発 / 細胞壁表層糖タンパク脂 / 治療標的 |
研究概要 |
抗酸菌-宿主関係において、抗酸菌細胞壁表層分子(特に、糖ペプチド脂質、糖脂質や蛋白質)は多機能分子であり、病原性に関与している。Mycobacterium avium complex(MAC)感染症は結核など抗酸菌感染症の約20%を占める。MAC特異的細胞壁表層糖ペプチド脂質(GPL)抗原を用いた迅速血清診断法の開発を試みた。GPLを用いたMAC感染症の血清診断法は感度および特異度ともに良好な成績(90%以上)を示し、かつ、血清抗GPL抗体価はMAC感染症の疾患活動性を反映した。従って、GPL抗原を用いた血清診断はMAC感染症の診断や疾患活動性の評価に有用であり、今後、臨床応用が期待される。抗酸菌DNA結合蛋白質1(MDP1)は菌体内や細胞壁に存在する抗酸菌特異的蛋白質である。MDP1の発現強度は対数増殖期<定常期=衰退期であった。機能的に細胞質MDP1はDNAと結合し、抗酸菌の増殖速度を遅延させ、休眠関連分子である。他方、抗酸菌表層MDP1は気道上皮細胞表面に存在するグリコサアミノグリカン(ヒアルロン酸など)に結合した。抗酸菌-気道上皮細胞の接着・侵入は抗MDP1抗体やグリコサアミノグリカンで阻害され、MDP1-グリコサアミノグリカン相互作用を介して、抗酸菌が宿主細胞に接着・侵入している。マウスを用いたin vivo感染実験結果から、抗MDP1抗体やグリコサアミノグリカンの結核菌感染前、或いは、感染後投与は生菌数を有意に減少させ、予防・治療の両者に有効な介入手段であった。MDP1-DNA複合体前投与は菌数を有意に減少させた。MDP1-DNA複合体の作用機序を解析したところ、1)抗MDP1抗体および2)interferon-g産生誘導が認められた。すなわち、MDP1を分子標的とした介入は新規治療・予防戦略として有望である。
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