研究課題/領域番号 |
16591206
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
菅 一能 山口大学, 医学部附属病院, 助教授 (90171115)
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研究分担者 |
松永 尚文 山口大学, 医学部, 教授 (40157334)
金田 好和 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (70325223)
藤田 岳史 山口大学, 医学部, 助手 (50335733)
清水 健策 (清水 建策) 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (80363109)
上田 和弘 山口大学, 医学部附属病院, 医員
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 肺癌 / センチネルリンパ節 / CT / リンパグラフィ / リンパ節生検 / 造影剤 / 肺 / リンパ節 / 生検 |
研究概要 |
平成16年度に行なった基礎実権の成績に基づき、臨床的に外科手術予定のNOの早期肺癌9例(平均年齢;63歳)において、各患者に、CTリンパグラフィ検査の安全性と有用性、および肺穿刺に伴う気胸や出血など予測しえる副作用も説明し、インフォームドコンセントを書面にて得て本検査を行なった。患者は腫瘍の部位により仰臥位または腹臥位として、CTイメージガイド下にCT造影剤2-2.5mlを肺腫瘍の周辺肺組織内に注入した。CTスキャンは、4列の多検出器CT装置で、上部縦隔から下部縦隔までの2ミリ厚のCT像を撮像前および造影剤注入1,2,3,4分後に撮像した。全例とも肺実質への造影剤注入は、CTガイド下に副作用なく行なわれ造影後2分以内に合計30個(1例当たり1-5個)のリンパ節が造影された。個々の症例では、造影1分後前後で最初に肺内・肺門リンパ節が、続いて2分前後で縦隔リンパ節の造影ピークが認められ、平均のCT値は134±52HUであった。肺葉または肺区域切除術とともに、標準のリンパ節隔清術臥行なわれ、リンパ節隔清では最初に術前のCTリンパグラフィで造影されたリンパ節群をCTリンパグラフィガイド下に気管支や肺葉との位置関係を参照して同定切除し、引き続き遠位リンパ節群の隔清を行った。いずれの症例でもCTリンパグラフィの解剖学的指標に基づいてセンチネルリンパ節が正しく同定され生検し得た。隔清されたリンパ節は、SLNと遠位リンパ節に分け病理組織を検討すると、リンパグラフィにより同定されたセンチネルリンパ節にも他のリンパ節群にも転移巣は検出されなかった。今回の臨床例における初期検討では、症例数は少ないが、肺実質への水溶性造影剤の注入により、造影早期に限られた数のリンパ節群が造影された。手術時には、これらの造影されたリンパ節群は、CTリンパグラフィで描出される詳細な周囲解剖学的指標により同定切除でき、本法は非侵襲的なSLN節生検の方法の手段と有用である可能性は示された。以上の研究成果は、和文雑誌のリンパ学に、欧文雑誌のInvestigative Radiology、Annals of Thoracic Surgeryに投稿し掲載された。
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