研究課題/領域番号 |
16591409
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
川村 雅文 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70169770)
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研究分担者 |
泉 陽太郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90245506)
塚田 紀理 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00365280)
朝倉 啓介 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90383786)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 肺がん / 転移性肺腫瘍 / 凍結療法 / 食道穿孔 |
研究概要 |
肺の腫瘍が冠動脈に接している場合、凍結療法中、冠動脈周囲の組織温度も低下することが危惧された。 冠動脈自体は十分な血流があるため一般にその壁が凍結されることはないものと考えられるが、周囲組織の温度の低下が血管の攣縮を引き起こすことがないか、今のところ実験データは何一つないのが実情である。そこで本実験では全身麻酔下の仔豚を用いて冠動脈血流量をドップラー装置で測定しながら冠動脈周囲の組織温度を段階的に下げていき、その変化を観察した。心膜に接する肺を凍結すると心膜も凍結するが、心臓は心嚢液を介して心膜と直接接することなく激しく運動しているため心筋が凍結することはなかった。したがって冠動脈周囲の温度は0℃以下にはならないことが示され、またその条件下では電磁流量計を用いて測定したところ冠動脈血流量は変化しなかった。しかし心膜炎の既往のある患者も凍結治療を受ける可能性があるので、更に心筋に直接凍結端子を当てて冠動脈あるいは冠動脈周囲を凍らせる実験も行った。 電磁流量型を冠動脈に当てて、冠動脈の滅流量をモニターしながら冠動脈の近傍に凍結用端子を当てて冠動脈周囲を冷やしていくと、冠動脈自体が凍らない限りは、冠動脈流量に変化は無かつた。さらに冠動脈自体に直接凍結用端子を当ると)、冠動脈自体を凍らせることができる。その後融解させると血流は再開し元通り拍動が再開する。このときの血流量も凍結前と比べ減少していなかった。 凍結解除後の冠動脈は、拍動が戻り血流量が復しその後少し遅れて冠静脈も血流を回復した。すなわち大循環系の血管ではその間流域に損傷が加わらない限り、融解とともに血流は再開することが示され、凍結が血管の支持構造自体に大きな影響を与えていないことが示された。 心筋は全体の層の外側1/2が壊死していたが、拍動(壁の運動性)、血圧、脈には影響が見られなかった。
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