研究課題/領域番号 |
16659149
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
竹内 亨 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (00188161)
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研究分担者 |
青山 公治 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (70117472)
小松 正治 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (30325815)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 運動 / がん / 予防 / 活性酵素 / 鉄ニトリロ三酢酸 / 腎がん / 酸化的DNA損傷 / OGG1 / 8ヒドロキシグアニン / ラット / トレッドミル |
研究概要 |
平成16年度、ラットに、2種類の強度の習慣的な水泳運動を課し、その後、腎に酸化ストレスを誘発し腎がんを発生させる鉄ニトリロ三酢酸(Fe-NTA)を投与し、腎・横隔膜等の臓器を採取・保存した。今年度は、それらの臓器の酸化的DNA損傷(8-oxo-guanine、8-oxo-G)、抗酸化酵素であるスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)活性、8-oxo-Gの修復酵素であるオキソグアニン・グリコシラーゼ(OGG1)のタンパク量を測定し、習慣的運動が酸化損傷を誘発するか、習慣的運動が発がん、特に酸化ストレスによる発がんイニシエーションに影響を与えるかを解析した。 その結果、習慣的運動は腎の8-oxo-Gを増加させなかった。Fe-NTA投与により酸化ストレスを誘発したところ、運動群、非運動群とも腎の8-oxo-Gは有意に増加した。しかし、運動群が非運動群より8-oxo-Gは有意に低く、さらに運動強度の高い群ほど、8-oxo-Gは低かった。なぜ運動が酸化ストレスを軽減したかを明らかにするため、SOD活性並びにOGG1タンパク量を測定した。運動群では腎並びに横隔膜のSOD活性が有意に上昇していた。一方腎のOGG1タンパク量は運動群で有意に低下していた。これらのことから、今回の強度の習慣的運動は酸化的DNA損傷を誘発せず、習慣的運動は酸化ストレス耐性を増加させ、過大な酸化ストレスを軽減し、発がんイニシエーションを抑制することが示唆された。 次にラットにトレッドミル運動を40週間負荷し、習慣的運動が、Fe-NTAが誘発する腎がんに影響を与えるかを検討した。その結果、習慣的運動は腎がんの発生率を有意に抑制した。しかし、がんの大きさは習慣的運動群で増大していた。腎がん発生率の抑制は運動によるイニシエーションの抑制と考えている。がんが増大した機序について、細胞増殖、アポトーシス、血管増生の面から検討中である。
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