研究課題/領域番号 |
16H02490
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物資源保全学
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
波利井 佐紀 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 准教授 (30334535)
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研究分担者 |
安田 仁奈 宮崎大学, 農学部, 准教授 (00617251)
中村 崇 琉球大学, 理学部, 准教授 (40404553)
渡邊 剛 北海道大学, 理学研究院, 講師 (80396283)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
41,080千円 (直接経費: 31,600千円、間接経費: 9,480千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2018年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
2017年度: 11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
2016年度: 12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
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キーワード | 深場サンゴ生態系 / レフュジア / 加入 / 集団遺伝構造 / 海洋環境 / 初期生活史 / 集団遺伝 / 古環境復元 / 生態学 / コネクティビティ / 深場サンゴ礁生態系 |
研究成果の概要 |
サンゴ礁深場(30m以深)は温暖化による高水温の影響を受けにくく、浅場生物のレフュジア(避難地)として期待されている。本研究では一部の浅場で死滅したトゲサンゴをモデルとし、鉛直加入構造と適応、集団遺伝構造、深場環境を調べ、深場から浅場へと回復する可能性を明らかにした。深場の本種は繁殖周期が浅場よりも短く分散の機会が少なく、また浅場では新規加入がなく移植幼体も強光条件では生存できなかった。一方、中間水深では新規加入や幼体の成長がみられ、また浅場では光の当たらない影(弱光)条件ではより生存が可能であった。遺伝的には本種には複数のクレードがあり、一部のクレードでは鉛直的な交流がみられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、夏季の異常な水温上昇によりサンゴの白化が頻発しサンゴ礁が衰退している。サンゴ礁深場は比較的水温が低く保たれていることから、サンゴなどが生残している場所として期待されている。本研究によりトゲサンゴでは、深場から浅場への直接的な浮遊幼生の加入はおこりにくいことが明らかとなった。一方で、浅場の岩陰などの弱光環境や中間水深への定着を介することで、本種の分布が浅場方向へと広がり、遺伝構造からも長期的には浅場へと回復する可能性が示された。深場にサンゴが生残していても浅場の回復には時間がかかることが見込まれ、深場も含めて長期的な視野で適切にサンゴ礁を保全していくことが重要だろう。
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