研究課題/領域番号 |
16H03101
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化財科学・博物館学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小田 寛貴 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 助教 (30293690)
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研究分担者 |
坂本 昭二 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (60600476)
池田 和臣 中央大学, 文学部, 教授 (80114007)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2019年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2018年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2017年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2016年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | 古筆切 / 顕微鏡観察 / 書跡史学的考察 / 間接的放射性炭素年代測定法 / 放射性炭素年代測定 |
研究成果の概要 |
鎌倉時代以前の現存古写本は,極めて少ない.これは,室町以降,茶室の掛軸等にするため,古写本が数行毎に裁断されてきたためである.この古写本断簡を古筆切という.同一の本を構成していた古筆切をツレというが,多くのツレが知られる古筆切には,春日切・加賀切などの総称がつけられている.本研究では,放射性炭素年代測定法によって書写年代を求めた古筆切のツレを,顕微鏡観察・書跡史学的考察から判定することで,これら一群の古筆切に対して間接的に年代を求めることを行った.そのうえで,これら古筆切に記述されている内容を史料とすることで,新たな歴史学・古典文学・美術史学的な研究を遂行した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
古筆切は,失われた古写本の一部分であるため,その史料的価値は極めて高いはずである.しかし,後世の偽物や,その流麗な筆跡を手本とした写しも大量に存在するため,年代不明のままでは,学術史料として利用することはできない.しかも,古筆切はわずか数行の書であるため,書跡史学的見地のみから真贋や年代を断言できないことも多い.こうした状況の中,本研究では,放射性炭素年代測定・顕微鏡観察・書跡史学的考察を併用することで,古筆切の年代判定法を確立した.ここには,かつて潜在的なものでしかなかった古筆切の史料的価値を明確にすることで,新たな学術史料としての利用を可能にする道を拓いたという意義が存在する.
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