研究課題
基盤研究(B)
肥満高血圧の制御は、国民の健康寿命延伸・医療費削減の両面から喫緊の課題である。近年、脂肪細胞由来の未知の液性昇圧因子が副腎に作用することによりアルドステロン合成酵素(CYP11B2)発現を亢進させ、肥満高血圧症の原因となっている可能性が示唆されている。同因子の単離・同定のために、まず、ヒト副腎H295R細胞にマウス脂肪細胞より取得した培養上清を添加し、CYP11B2の発現誘導を指標に分子量による分画を行った。得られたCYP11B2発現誘導能を有する画分を質量分析装置にて解析することにより液性因子の同定を行った結果、著明にCYP11B2の発現を誘導する新規の昇圧因子"X"が同定された。
肥満患者における高血圧の制御は、国民の健康寿命延伸・医療費削減の両面から喫緊の課題である。本研究課題の遂行により新規昇圧因子"X"が得られたが、今後は本因子を基盤とした肥満高血圧の新規診断・治療法の開発を進める。これらの遂行により、肥満高血圧に起因する心血管イベントの発症を二次的に抑制することが可能となり、患者さんへの福音となるとともに、本邦の医療費抑制にも大きく貢献することが期待される。
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