研究課題/領域番号 |
16H04000
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅰ
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
沖本 洋一 東京工業大学, 理学院, 准教授 (50356705)
|
研究協力者 |
堀内 佐智雄 産総研
恩田 健 九大理
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2016年度: 14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
|
キーワード | 強誘電体 / 第二次高調波発生 / フェムト秒分光 / 非線形光学 / 光誘起相転移 / 高速非線形分光 / 強誘電体結晶 / 誘電体物性 / 光物性 / フェムト秒レーザ分光 / 強相関エレクトロニクス |
研究成果の概要 |
本研究は、プロトン移動型有機強誘電体の持つ強誘電特性(分極特性)を光で高速制御することを目的とする。強誘電体共結晶の一つであるH66dmbp-Hcaに注目し、530nmのフェムト秒レーザパルスで励起した後の分極状態の変化を、試料から発生する第二次高調波発生(SHG)強度をマッピング観測することにより調べた。その結果、観測する表面は単結晶であるにも関わらず、光照射後にSHG強度が瞬間的に増大する領域と減少する二つの領域が存在すること、およびこの光誘起SHG変化の増減は外部からの電界印加によってスイッチできることが分った。これより、光励起で試料の分極ドメイン壁を制御できていることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果から、プロトン移動型有機強誘電体から出る第二次高調波発生強度を、光励起(分子内励起)によりサブピコ秒スケールで制御できること、およびその変化の度合いは試料の分極ドメインの状況を敏感に反映すること、が明らかになった。これは、光照射が強誘電体の分極ドメインを実空間で高速に動かしていることを端的に示すものである。更にこれらの結果は、強誘電体の分極反転を外部電場の代わりに光で高速に行える可能性も示しており、本系をメモリなどに応用する場合にその応答速度を高速化できることが期待できるなどの応用への道を拓くものである。
|