研究課題
基盤研究(B)
免疫複合体抗原のエピトープ特定のため、免疫複合体から抗原のみを選択的に溶出する条件として、低pH溶出液で抗原を抗体から解離させ溶出する方法と、PapainでFabと抗原を溶出する方法を比較した。その結果、Papain溶出法が選択的に免疫複合体抗原を溶出できることがわかった。そして、エピトープ以外を免疫複合体から切り出すための酵素消化の検討を行った結果、トリプシンとLys-Cを用いた二段階消化が適していることがわかった。本研究で確立した条件・手順をもとに実際の患者検体からTSP-1免疫複合体を回収し、内標準を参考に関節リウマチでのエピトープの精密特定を進めている。
本研究は関節リウマチでおきる異常な免疫反応の根本原因と考えられるタンパク質の異常部位(エピトープ)を全く新しい方法で決定することを目指している。具体的には、患者体内でできる免疫複合体(異常なタンパク質と抗体が結合したもの)を直接調べて、エピトープを特定する。このエピトープを特定できれば、病気の根治だけでなく、従来の免疫抑制療法で危惧される感染症のリスクを回避する治療法の開発につながる可能性がある。今回の成果で、免疫複合体に含まれる異常なタンパク質のエピトープを特定するための解析条件を決めることができた。今後は、実際の患者の体内にある免疫複合体を使って、病気の原因となるエピトープの特定を進める。
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