研究課題
基盤研究(B)
消化器がんの浸潤・転移形式の中で、腹膜播種(癌性腹膜炎)は最終的な死亡原因の大きな割合を占めており、より細やかな(精密な)診断技術が必要である。本研究では、テロメラーゼ特異的蛍光標識ウイルス製剤TelomeScan(OBP-401)で高率かつ簡便に腹腔内浮遊がん細胞を可視化可能であることを明らかにした。さらに、ユニークなCD46を介した標的細胞特性とmicro-RNAによる厳格な増殖制御機能を有する新たな蛍光標識ウイルス試薬TelomeScan-F45(OBP-1101)を併用するデュアル体外診断システムを考案したが、その有用性は示せなかった。
テロメラーゼ特異的蛍光標識ウイルス製剤TelomeScan(OBP-401)では、EpCAMなど上皮系マーカーを指標としたCellSearchシステムでは検出不能であった、より悪性化して上皮間葉転換(EMT)を生じたがん細胞も標識することができ、鋭敏で高精度な検出感度が確認できた。TelomeScan-F45(OBP-1101)を併用するデュアル体外診断システムの確立は困難であったが、TelomeScanによる臨床的に有用なプラットフォームは構築できたと考える。
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