研究課題
若手研究(A)
経済的側面からの実証分析では,脆弱性報奨金制度への貢献者の異なるインセンティブを明らかにし,オープンソースソフトウェアEclipseの寄付者に付与されるバッジにシグナリング効果があることを統計的に確認した.理論的側面からは,脆弱性情報市場における収益最大化問題へのメカニズムを提案した.実験フィールドとして,カーシェアリングシステムを開発,運用した.これは共有資源配分のための市場ととらえることができる.共有資源を持続可能なものとする,正確な情報の入手可能性,ユーザの同質性,ユーザの安定性,といった性質を念頭に,奈良先端大でのプレ運用結果も踏まえ,インセンティブ設計を行った.
本研究は,これまでソフトウェア工学分野で研究が進んでいない脆弱性情報市場の課題や挑戦に初めて取り組むものである.そのアプローチは,経済パラダイムを導入したゲーム理論やメカニズムデザイン研究との融合であり,新しい研究領域ソフトウェアエコノミクスへ結びつく可能性がある.開発したカーシェアシステムは,コミュニティ通貨を介して,参加者間で価値をやり取りするプラットフォームの実験フィールドとなっている.特に,他のユーザの需要を可視化するとともに,他のユーザへの好ましい振る舞いに報酬を設定したインセンティブ設計となっている.インセンティブ実装の基盤として将来的な拡張が可能である.
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すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (31件) (うち国際学会 19件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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