研究課題/領域番号 |
16H05938
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
文学一般
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研究機関 | 都留文科大学 |
研究代表者 |
菊池 有希 都留文科大学, 文学部, 准教授 (70613751)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | バイロン / 北村透谷 / カーライル / 鶴見祐輔 / 林房雄 / 自我の滅却 / 自由主義 / 帝国主義 / M.アーノルド / 英雄主義 / 自由貿易帝国主義 / 比較文学 / 思想史 / 交響する影響 / W.H.オーデン / 『蓬莱曲』 / 『サーター・リザータス』 / 近代の超克 / 国文学 / 英米文学 / 量的快楽主義 |
研究成果の概要 |
英国詩人G.G.バイロンは西洋ロマン主義に大きな影響力を持った詩人であるが、近代日本の文学者・思想家たちも彼の個人主義と自由主義の精神に影響を受けた。明治期の日本においてバイロンの個人主義に強く感化された北村透谷は、ヴィクトリア朝期英国の文人トマス・カーライルのバイロン的個人主義の超克の議論にも関心を持ち、自身の作品の中でその超克のイメージを表現した。また、昭和前期の日本においてバイロンの自由主義に共鳴した林房雄と鶴見祐輔は、同じくそれに共感的だった同時代の英国詩人W.H.オーデンがバイロンの英雄性を軽視したのとは逆に、むしろそれを強調することで、自由主義からナショナリズムの肯定へと飛躍した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
北村透谷とカーライルのバイロン的個人主義の受容のありようを比較することで、カーライルが虚無を克服し現世を肯定する強い倫理的主体であることの意義を説き、他方、透谷が現世否定にも通じる無常の感覚を表現し得る美的主体であることの意義を説くという、両者のロマン主義の違いを明らかにすることができた。また、オーデンと林房雄・鶴見祐輔のバイロン的自由主義の受容のありようを比較することで、政治的自由主義がナショナリズムの肯定へと飛躍する過程においてロマン主義的な英雄主義の気分が大きな役割を果たすことも明らかにすることができた。本研究で得られた知見は広くロマン主義文学・思想の研究に寄与し得るものと考えている。
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