研究課題/領域番号 |
16H05940
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 東北大学 (2017-2018) 三重大学 (2016) |
研究代表者 |
木山 幸子 東北大学, 文学研究科, 准教授 (10612509)
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研究協力者 |
小泉 政利
時本 真吾
上埜 高志
伊東 香奈江
直江 大河
馬 瓊
汪 敏
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 終助詞 / 対者敬語 / 加齢変化 / ERP / 文末モダリティ / 対人距離 / 実験語用論 / 異世代間コミュニケーション / 神経基盤 / 事象関連電位 / 世代間コミュニケーション / 脳機能 / 語用論処理 |
研究成果の概要 |
本課題は、日本語において対人的機能を持つと考えられる文末モダリティに対する神経反応の加齢変化を明らかにすることを目的として、脳波の事象関連電位(event-related potential: ERP)を援用した実験研究を行った。高齢者と若年者各40名を対象とし、敬語「ください」と終助詞「ね」の組み合わせ方に応じた会話文に対する神経反応を比較した。その結果、感情反応を反映する指標として知られている後期陽性成分(LPP)の効果が認められた。若年者に比べ高齢者が、また女性に比べ男性のほうが終助詞に対するLPPの効果が大きいこと、特に自閉傾向の強い高齢男性ほどLPPの効果が大きくなることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本語で対人関係を調整すると考えられる種々の文末表現は、各々わずか1から2拍(モーラ)に過ぎず、発話に際しては数十ミリ秒というまたたく間に立て続けに処理されるものである。日本語母語話者が何気なく瞬時に処理する対人的文末モダリティの神経基盤とその加齢変化に迫るために、本課題では神経活動の時間分解能に優れた脳波の事象関連電位による測定による検討を行った。対人関係に関わる文末詞に対する自発的な神経反応が加齢にしたがって変化すること、とくに高齢の男性において個人の認知スタイルに応じた差が大きくなることを示した本研究の成果は、円滑な異世代コミュニケーションを実現する方略を考える上で有用であるといえる。
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