国際単位系改訂に向けた電気素量の絶対測定と高速超精密電流測定への展開

• 研究課題/領域番号: 16H06090
• 研究種目: 若手研究(A)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 電子デバイス・電子機器
• 研究機関: 国立研究開発法人産業技術総合研究所
• 研究代表者: 中村 秀司 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (70613991)
• 研究期間 (年度): 2016-04-01 – 2020-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2019年度)
• 配分額: 24,700千円 (直接経費: 19,000千円、間接経費: 5,700千円); 2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円); 2018年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円); 2017年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円); 2016年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
• キーワード: 単一電子素子 / 量子電流標準 / 量子メトロロジートライアングル / 二重量子ドット / マイクロ波反射測定 / 超伝導ハイブリッド素子 / シリコン量子ドット / 単一電子転送 / ジョセフソン効果 / 量子ホール効果 / 電流標準 / 単電子素子 / メトロロジトライアングル / 少数電子素子 / 電子デバイス・機器 / 量子ドット / 超伝導 / パラメトリック増幅 / 量子ドット電荷計 / メトロロジートライアングル / 計測工学 / 超精密計測 / マイクロ・ナノデバイス

研究成果の概要

本研究では量子メトロロジートライアングルの検証、電気素量の絶対測定、新しい微小電流計測技術の開発に向け研究を行った。まず超伝導、半導体単一電子素子を用いた研究を行い、電子転送のエラー要因の解明と解決方法の提示（超伝導素子）、さらに５ ppm 以下の不確かさを持つ量子化電流の発生に成功した（半導体素子）。次に量子メトロロジトライアングルの検証に必要な抵抗・電圧・電流の物理量を現示する3つの量子素子を希釈冷凍機中で駆動するセットアップを構築し、ジョセフソン電圧標準の動作確認と単一電子素子の並列駆動等の実験を行った。また電気素量の絶対測定に必要な単一電子の実時間測定セットアップを構築し測定を行った。

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究で取り組む量子メトロロジートライアングルの研究は、新しい国際単位系における組み立て量間の整合性検証を行うものであり、産業、文化、科学活動にとって欠くことのできない社会基盤の実現に資するものである。また本研究で取り組む単一電子転送を用いた量子化電流発生は、放射線医療、ガス検出、半導体産業などで重要性の増しているfAからpAまで電流計測の信頼性を担保する電流標準の実現に貢献するものである。さらに本研究で対象とする超伝導体、半導体を用いた単一電子素子はそれぞれ逆近接効果や動的に形成される量子ドットといった基礎物理と大きく結びついており、基礎科学的知見の獲得にも貢献するものである。

研究成果

• [国際共同研究] Lancaster 大学(英国)
• [国際共同研究] Aalto大学(フィンランド)
• [国際共同研究] Max Planck研究所(ドイツ)
• [国際共同研究] ＩＰＭ(ロシア連邦)
• [国際共同研究] Lancaster University(英国)
• [国際共同研究] Aalto University(フィンランド)
• [国際共同研究] Vienna University of Technology(オーストリア)
• [国際共同研究] Niels Bohr Institute(デンマーク)
• [国際共同研究] Max Planck Institute(ドイツ)
• [国際共同研究]
• [雑誌論文] Precise resistance measurement of quantum anomalous Hall effect in magnetic heterostructure film of topological insulator (2020)
  • 著者名/発表者名: Okazaki Yuma、Oe Takehiko、Kawamura Minoru、Yoshimi Ryutaro、Nakamura Shuji、Takada Shintaro、Mogi Masataka、Takahashi Kei S.、Tsukazaki Atsushi、Kawasaki Masashi、Tokura Yoshinori、Kaneko Nobu-Hisa
  • 雑誌名: Applied Physics Letters 巻: 116 号: 14 ページ: 143101-143101
  • DOI: 10.1063/1.5145172
  • 査読あり
• [雑誌論文] アンペアの定義改定と単電子素子 (2019)
  • 著者名/発表者名: 中村秀司
  • 雑誌名: 電気学会誌 特集号 巻: 印刷中
  • NAID: 130007657054
  • 査読あり
• [雑誌論文] Dynamical coupling between a nuclear spin ensemble and electromechanical phonons (2018)
  • 著者名/発表者名: Y. Okazaki, I. Mahboob, K. Onomitsu, S. Sasaki, S. Nakamura, N. Kaneko, and H. Yamaguchi
  • 雑誌名: Nature Communications 巻: 9 号: 1 ページ: 399220-399220
  • DOI: 10.1038/s41467-018-05463-3
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Fano effect in the transport of an artificial molecule (2018)
  • 著者名/発表者名: .Shota Norimoto, Shuji Nakamura, Yuma Okazaki, Tomonori Arakawa, Kenichi Asano, Koji Onomitsu, Kensuke Kobayashi and Nobu-hisa Kaneko
  • 雑誌名: Physical Review B 巻: 印刷中
  • 査読あり
• [雑誌論文] Digital processing with single-electrons for arbitrary waveform generation of current (2018)
  • 著者名/発表者名: Yuma Okazaki, Shuji Nakamura, Koji Onomitsu, Nobu-Hisa Kaneko
  • 雑誌名: Applied Physics Express 巻: 11, 号: 3 ページ: 036701-036701
  • DOI: 10.7567/apex.11.036701
  • NAID: 210000136145
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Interplay of the inverse proximity effect and magnetic field in out-of-equilibrium single-electron devices (2017)
  • 著者名/発表者名: Shuji Nakamura, Yuri A. Pashkin, Mathieu Taupin, Ville F. Maisi, Ivan M. Khaymovich, Alexander S. Mel’nikov, Joonas T. Peltonen, Jukka P. Pekola, Yuma Okazaki, Satoshi Kashiwaya, Shiro Kawabata, Andrey S. Vasenko, Jaw-Shen Tsai, and Nobu-hisa Kaneko
  • 雑誌名: Physical Review Applied 巻: 印刷中
  • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Low-noise and wide-bandwidth current readout at lowtemperatures using a Superconducting-quantum-interferencedevice amplifier (2017)
  • 著者名/発表者名: Ngoc Thanh Mai Tran, Yuma Okazaki, Shuji Nakamura, Massimo Ortolan and Nobu-Hisa Kaneko
  • 雑誌名: Japanese Journal of Applied Physics 巻: 56 号: 4S ページ: 04CK10-04CK10
  • DOI: 10.7567/jjap.56.04ck10
  • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Preparation and characterization of Sn-BSTS topological insulator for universality test of the quantum Hall effect (2017)
  • 著者名/発表者名: Tetsuro Misawa, Yasuhiro Fukuyama, Yuma Okazaki, Shuji Nakamura, Nariaki Nasaka,Takao Sasagawa, and Nobu-Hisa Kaneko
  • 雑誌名: IEEE Instrumentation and Measurement 巻: 印刷中
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] A review of Quantum Current Standards (2016)
  • 著者名/発表者名: N.H.Kaneko, S.Nakamura, Y. Okazaki
  • 雑誌名: Review of Measurement Science and Technology 巻: 27 号: 3 ページ: 032001-032001
  • DOI: 10.1088/0957-0233/27/3/032001
  • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [学会発表] 電子スピン共鳴を用いたシリコン酸化膜中欠陥準位の測定 (2019)
  • 著者名/発表者名: 中村秀司, 岡崎雄馬, 高田真太郎, 金子晋久
  • 学会等名: 日本物理学会 2019秋季大会
• [学会発表] コルビノ型電極配置による高絶縁性トポロジカル絶縁体の単一表面伝導特性評価 (2019)
  • 著者名/発表者名: 三澤哲郎, 福山康弘, 中村秀司, 岡崎雄馬, 名坂成昭, 江連大貴, 金子晋久, 浦野千春, 笹川崇男
  • 学会等名: 日本物理学会 2019秋季大会
• [学会発表] 量子メトロロジートライアングルの検証と量子素子を用いた計測技術の開発 (2019)
  • 著者名/発表者名: 中村秀司
  • 学会等名: 理研-産総研 第5回 量子技術イノベーションコアWorkshop
• [学会発表] Towards coherent coupling between magnetic vortex gyration and microwave photon (2019)
  • 著者名/発表者名: Shuji Nakamura, Okazaki Yuma, Shintaro Takada, and Nobuhisa KAneko
  • 学会等名: 半導体/超伝導体量子効果と量子情報の夏期研修会
• [学会発表] ナノ構造と単一電子制御技術を用いた量子計測技術の開発 (2018)
  • 著者名/発表者名: 中村秀司
  • 学会等名: 国際計量シンポジウム
  • 招待講演
• [学会発表] メゾスコピックな超伝導、半導体、磁性体を舞台とする量子現象 (2018)
  • 著者名/発表者名: 中村秀司
  • 学会等名: メゾスコピック系における非平衡スピン微視的理解とその制御
  • 招待講演
• [学会発表] 非線形超伝導共振器をもちいたパラメトリック増幅 (2018)
  • 著者名/発表者名: 中村秀司, 岡崎雄馬, 高田真太郎, 金子晋久
  • 学会等名: 日本物理学会第74回年次大会
• [学会発表] トポロジカル絶縁体Sn0.02Bi1.08Sb0.9Te2Sにおける表面電子輸送特性のゲート制御 (2018)
  • 著者名/発表者名: 三澤哲郎, 福山康弘, 中村秀司, 岡崎雄馬, 名坂成昭, 江連大貴, 金子晋久, 浦野千春, 笹川崇男
  • 学会等名: 日本物理学会第74回年次大会
• [学会発表] ホイートストンブリッジ回路による量子ホール抵抗値の精密比較測定系の構築 (2018)
  • 著者名/発表者名: 岡崎雄馬, 大江武彦, 中村秀司, 高田真太郎, 金子晋久
  • 学会等名: 日本物理学会第74回年次大会
• [学会発表] Fano effect in the transport of an artificial molecule (2018)
  • 著者名/発表者名: Norimoto Shota, Nakamura Shuji, Okazaki Yuma, Arakawa Tomonori, Asano Kenichi, Onomitsu Koji, Kobayashi Kensuke and Nobu-Hisa
  • 学会等名: ICPS 2018
• [学会発表] 単一電子制御による交流電流波形の生成と計測応用 (2017)
  • 著者名/発表者名: 岡崎雄馬, 中村秀司, 小野満恒二, 佐々木智, 金子晋久
  • 学会等名: 日本物理学会 第72回年次大会
  • 発表場所: 金沢大学
  • 年月日: 2017-03-18
• [学会発表] 単電子計数とフィードバック制御による単電子源安定化の試み (2017)
  • 著者名/発表者名: 則元将太, 中村秀司, 岡崎雄馬, 小林研介, 金子晋久
  • 学会等名: 日本物理学会 第72回年次大会
  • 発表場所: 金沢大学
  • 年月日: 2017-03-17
• [学会発表] 二重量子ドットにおけるファノ効果の観測 (2017)
  • 著者名/発表者名: 則元将太, 中村秀司, 岡崎雄馬, 金子晋久, 浅野建一, 小林研介
  • 学会等名: 日本物理学会 2017秋季大会
• [学会発表] 高周波反射・透過測定を用いた単一電子ポンプの実時間測定 (2016)
  • 著者名/発表者名: 中村秀司, 岡崎勇馬, 金子晋久
  • 学会等名: 日本物理学会 2016年秋季大会
  • 発表場所: 大阪大学 豊中キャンパス
  • 年月日: 2016-09-13
• [学会発表] 超伝導量子干渉素子を用いた希釈冷凍機における微小電流計測 (2016)
  • 著者名/発表者名: Ngoc Thanh Mai TranA, 岡崎雄馬, 中村秀司, 金子晋久
  • 学会等名: 日本物理学会 2016年秋季大会
  • 発表場所: 大阪大学 豊中キャンパス
  • 年月日: 2016-09-13
• [学会発表] Three electrical quantities and their quantum mechanical representation (2016)
  • 著者名/発表者名: Shuji Nakamura and Nobu-hisa Kaneko
  • 学会等名: EMN Quantum Meeting
  • 発表場所: Phuket, Thai
  • 年月日: 2016-04-09
  • 国際学会 / 招待講演
• [備考] 中村秀司のホームページ
  • URL: https://www.sites.google.com/site/shujinakamuraaist/
• [備考] 中村秀司のホームページ
  • URL: https://www.sites.google.com/site/shujinakamuraaist/home
• [備考] 研究者ホームページ
  • URL: https://www.sites.google.com/site/shujinakamuraaist/
• [備考]
  • URL: https://www.sites.google.com/site/shujinakamuraaist/
• [備考]
  • URL: https://unit.aist.go.jp/ripm/qelec-std/e2_00.html
• [産業財産権] パラメトリック増幅器 (2019)
  • 発明者名: 中村秀司
  • 権利者名: 産業技術総合研究所
  • 産業財産権種類: 特許
  • 産業財産権番号: 2019-105439
  • 出願年月日: 2019