研究課題
基盤研究(S)
Wntは胎生期において器官形成に必須の分泌タンパク質であり、出生後Wntにより活性化されるWntシグナルは器官のホメオスターシスの維持に関与し、Wntシグナル経路の構成分子の遺伝子変異等による活性化異常が、がん発症の原因となることが知られている。しかし、その分子機構は十分に理解されておらず、Wntシグナルを標的とした抗がん剤開発が進展していない。本研究では、私共がWntシグナルに関連して新規に見出した分子やシグナル経路とがんとの関連について、細胞レベルとマウス個体レベルで作用機構を解明し、臨床的意義をヒト検体とデータベースを用いて明らかにするとともに、治療標的になる可能性を検証した。
Wntシグナルの異常による新規の細胞がん化の分子基盤を確立できたことが本研究の学術的意義である。具体的には、新規のWntシグナル関連経路としてARL4C経路、DKK1-CKAP4経路、GREB1経路を見出し、これらのシグナル経路による腫瘍形成の分子機構を明らかにした。また、炎症を伴ったがん組織において、Wnt5aがどの線維芽細胞に発現されるかを特定して、分泌されたWnt5aが腫瘍形成を誘導する分子機構を示した。本研究成果は、がん細胞の多様な増殖や転移の分子機構の理解の進展に寄与するとともに、新たながん診断法の確立や抗がん剤開発の端緒となったために、社会的意義は大きい。
A
A: 当初目標に向けて順調に研究が進展しており、期待どおりの成果が見込まれる
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