研究課題
基盤研究(C)
本研究では、従来の汎用マイクロビーム照射容器では実現が難しい、放射線誘発バイスタンダー効果誘導における細胞間情報伝達の距離限界の解析を念頭においた、テーラーメード照射容器の開発を行った。3次元CADソフトウェアを用いて設計した、幅2mmの溝を迷路状に配置した壁面部品に、細胞接着面となるカバーガラスを接着し、細胞接着性を改善する真空プラズマ処理を行った。製作した容器に、ヒト子宮頸がん由来培養細胞HeLaを播種し、容器の迷路端を重イオンマイクロビーム装置細胞照準系の顕微鏡下で観察し、炭素イオンマイクロビームで照射を行うことができることを実証した。
重イオン特有の生物効果の解明は、その応用である重粒子線がん治療やイオンビーム育種の高度化、長期宇宙滞在における宇宙放射線リスク評価において重要な課題である。重イオンマイクロビームを用いた細胞への照準照射はこの課題を解決する上で極めて有効な手法であるが、従来の汎用マイクロビーム照射容器を用いた照射では実現可能な実験が限定されていた。本研究で確立した、ラピッドプロトタイピング技術を用いた、照射実験の要件ごとに形状を最適化したテーラーメード照射容器を製作する技術は、重イオンマイクロビームを用いて実現できる実験の幅を大きく拡大し、重イオン特有の生物効果の解明や、その応用の高度化に寄与する。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 3件)
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