研究課題
基盤研究(C)
我々は特発性正常圧水頭症(iNPH)における遂行機能障害の重症度を簡便かつストレスなく評価できるThe test for sustained attention and response suppression(SARS)を開発した。SARSはディスプレイ上に表示される刺激に対して教示した指示通りにスペースキーを押すだけの極めて単純な検査であるが、従来の神経心理検査と同水準で遂行機能障害の重症度を評価することが可能であった。SARSの有用性とSARSと神経画像解析の結果がもたらした知見に関する報告が終了次第、SARSをフリーのPCソフトウェアとして一般公開する予定である。
SARSによって算出される反応抑制障害の指標は遂行機能を評価するFrontal assessment battery(FAB)と言語性記憶を評価するAuditory verbal learning test(AVLT)の成績と有意な負の相関を示すことから、iNPHにおける遂行機能障害、言語性記憶障害の背景に反応抑制の障害が深く関連していることが明らかになった。また、iNPHにおける反応抑制の障害は安静時におけるデフォルト・モード・ネットワークの活動低下と両側前頭葉皮質下白質の損傷と強く関連することが明らかになった。SARSの開発により、iNPHの診療における診断能力の向上が期待される。
すべて 2019 2018 2017 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件)
Fluids Barriers CNS
巻: 14 号: 1 ページ: 1-1
10.1186/s12987-016-0048-8
PloS one
巻: 11 号: 5 ページ: 1-13
10.1371/journal.pone.0154713
Internal Medicine
巻: 55 号: 9 ページ: 1191-1193
10.2169/internalmedicine.55.5345
130005149576