研究課題
基盤研究(C)
骨格筋に存在する幹細胞である筋サテライト細胞を個体から単離し、生体外での機能について検討した。短期間の糖代謝異常などの後天的環境要因によって個体における骨格筋機能が低下しても、個体から単離した筋サテライト細胞はほぼ正常な機能を発揮する。一方、遺伝的要因による影響は個体から単離しても残存する。また、遺伝子を欠損した筋サテライト細胞と野生型の筋サテライト細胞を混合して形成した多核の筋管細胞(キメラ筋管細胞)は、両者の中間的な機能を示した。すなわち、同じ筋管細胞内であっても、遺伝子欠損の影響は野生型の筋サテライト細胞由来の核によって完全には補償されないことが示唆された。
機能が低下した骨格筋から採取した筋サテライト細胞を適正な条件で培養し、筋分化させるとほぼ正常な機能を回復できる可能性を示した点で、本研究の社会的意義がある。すなわち、生活習慣を見直し、正常な代謝に回復できれば以前の生理機能を取り戻せる可能性を示した。また、骨格筋細胞が多核細胞であることを利用して、遺伝的背景の異なる筋サテライト細胞からキメラ筋細胞を作成し、正常な核による補償効果を解析した点に学術的意義があるが、結果からは両者の核が同じ細胞内に存在しても遺伝子欠損の影響は補償できないことが明らかになった。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (4件) 備考 (2件)
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