研究課題
基盤研究(C)
有酸素運動中と運動終了後の脳血流量変化を血圧変動と併せて陽電子放出断層撮影(positron emission tomography: PET)を用いて定量的に解析した。運動中の血圧上昇、運動後の血圧降下と局所脳血流量の関係を解析した結果、脳の多くの部位で血圧変動と脳血流量に相関を認め、特に運動開始時の血圧上昇に伴い多くの部位での血流は増加した。しかし、運動継続中は血圧上昇にかかわらずほとんどの脳領域で血流量は安静時レベルに戻ることが示された。血圧や心拍出量変化を観察することで、運動負荷中の脳循環調節機構を解明するための稀少な知見が得られた。
本研究課題は脳に対する運動の影響を調べるために、実際の運動中の脳の局所血流量を陽電子放出断層撮影(positron emission tomography: PET)により解析した。一般的に脳血流量は血圧変動が生じた場合自動調節能により一定に保たれることが知られているが、実際には血圧変動を伴う有酸素運動中に血流量は脳の局所で20~50%程度増加し、終了後は10%程度減少することが明らかとなった。本研究により運動中の脳の血流量増加は神経可塑性などの有益な変化と関連し、運動後低血圧時の脳血流低下少なく脳虚血発作などのリスクとの関連は乏しいことが示唆された。
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