研究課題/領域番号 |
16K02192
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 姫路大学 |
研究代表者 |
和田 幸司 姫路大学, 教育学部, 教授 (40572607)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 浄土真宗 / 被差別寺院 / 種姓観念 / 浄穢観念 / 身分 / 近世身分 / 士農工商 / 種姓 / 宗教学 / 日本近世史 |
研究成果の概要 |
本研究では近世社会における「士農工商」観を明らかにし、その種姓的構造を考察した。まず、江戸時代中期の町人身分の「士農工商」観や種姓観念を明らかにした。次に、中世以降の浄穢観念による社会的差別が、宗旨人別帳や本末帳の別帳化によって、近世の種姓的特質を有する点を考察した。 以上の検討から、浄穢観念と結びついた種姓的身分観が近世の社会的差別の根幹をなしていることが明らかとなった。〈役〉〈共同体〉〈職分〉などの近世の身分規定要因に加えて、浄穢観念と結びつく種姓的身分観が近代以降の差別残存の要因のひとつと考察した。さらに、この構造を信仰的に克服しようとする近世被差別民の身分志向を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
部落差別の解消は国民的課題であり、人権教育の重要課題となっている。本研究は部落差別の解消に資するもので、近現代の差別残存の要因である浄穢観念と結びつく種姓的身分観の状況を明らかにしたものである。さらに、そうした近世身分社会で葛藤しながらも力強く生きる被差別民の信仰状況や宗教を基軸にした豊穣な人間性の科学的研究成果を現代に還元しようとするものである。 本研究では部落差別解消の教育・啓発において、民衆意識のなかに身分制を支える種姓的構造があったことの提言を行うことができた。
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