研究課題/領域番号 |
16K02209
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
思想史
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
清水 靖久 九州大学, 比較社会文化研究院, 元教授 (00170986)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 丸山真男 / 東大紛争 / 戦後民主主義 |
研究成果の概要 |
この研究は、戦後日本の思想史のなかで丸山真男の思想を考察すること、そのために1968-69年の東大紛争の実像を解明することをめざした。その研究成果を世に問うために、著書『丸山真男と戦後民主主義』を刊行した。そのなかで、戦後日本で民主主義を説いてきた丸山が、1960年代末の名ばかりの民主主義に苛立つ若者を理解しきらなかったこと、ただ全共闘学生の研究室封鎖を「ナチもしなかった」と言ったのは、1930年代の事実の指摘だったのに、1969年1月の安田講堂鎮圧で意味転換が生じて批判されたことなどを明らかにした。すぐれた知性も行き詰ることがあると論じながら、丸山の思想を批判的に継承することを試みた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1968-69年の大学紛争は戦後日本の思想史の分岐点であり、そのなかでも東大紛争は重要だったが、学生は何に抗議したのか、安田講堂の鎮圧という収拾のしかたしかなかったのか、なぜあれだけ長引いたのかなど不明のことが多かった。そのなかでも注目されたのが戦後日本で民主主義を説いてきた丸山真男の言動であり、「ナチもしなかった」「概念の解体」「人生は形式です」などの言葉が不可解なまま残されていた。それらのことを解明したこの研究からは、知識人の知性について、学問と大学について、名ばかりの民主主義について、戦後日本の歴史について、多くのことを考えることができる。そこに学術的意義も社会的意義もあるのではないか。
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