研究課題/領域番号 |
16K02221
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
思想史
|
研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
勝又 悦子 同志社大学, 神学部, 教授 (60399045)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 自由 / ユダヤ教 / ドイツ・ユダヤ学 / 偶像崇拝 / 民主主義 / 聖書解釈 / 民 / ディモス / ディモクラティア / ラビ・ユダヤ教文献 / デモクラシー / デモクラティア / ユダヤ学 / 公衆浴場 / ヘルート / ヘブライ語聖書 / ラビ・ユダヤ教 / パウロ / ユダヤ教聖書解釈 |
研究成果の概要 |
本研究は、ラビ・ユダヤ教文献、またそれらを解釈する19世紀のドイツ・ユダヤ学者の分析を通し、さほど「個人」としての「自由」には関心のないラビ・ユダヤ教文献に「民主性」(デモクラティア)や「自由」を見出したのは、近代ヨーロッパの価値観との競合の中で、一市民としての自立した地位を確立するために、「自由」と「民主性」を火急の課題としたドイツ・ユダヤ共同体の事情があったことが推察された。他方で、伝統的ユダヤ教では、個人としての「自由」の対極に金の子牛像に代表される「偶像崇拝」が置かれていることを指摘し、現代社会において当然視される「自由」概念の再検討に有用な枠組みを提示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学問の背景にはそれを分析する研究者、学者のおかれた状況に影響されることが明らかになった。他方で、近代ヨーロッパの価値観との競合の中で、真摯にユダヤ教の将来を危惧し、模索を続ける研究者の姿を明らかにした。さらに、伝統的なラビ・ユダヤ教文献における「自由」概念を分析することで、「自由」とは本来社会システムの中で運用される概念であること、また個としての「自由」を想定する際に、対極に偶像崇拝が連想されていることが指摘された。これは、特定のイデオロギーへの執着も含め、有形・無形の偶像に拘束されることの危険性を訴えるものであり、この視点は、近現代における「自由」の概念の再検討に資するものである。
|