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「革かフェルトか!」打弦素材の変換がもたらした鍵盤音楽におけるパラダイム転換研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K02311
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 芸術一般
研究機関和歌山大学

研究代表者

山名 仁  和歌山大学, 教育学部, 教授 (00314550)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
研究課題ステータス 完了 (2019年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
キーワードフォルテピアノ / ハンマーヘッド / フェルト / 革 / 演奏様式 / アーティキュレーション / ペダリング / プレイエル / ダンパー / ウィーン式フォルテピアノ / 連弾 / 素材 / 演奏法 / 解釈 / 打弦素材 / 独奏 / 編曲
研究成果の概要

現代のフェルト2層構造と違い、19世紀のハンマーヘッドは6層7層あるいはフェルト1層のみといった多様な構造を持っていた。特に第2層以下には鞣し、形、硬度、厚み、動物の種類、部位において様々な革が選択され、これにフェルトも混在させ多様な組み合わせが存在した。また第1層における革からフェルトへの転換に関しては、①パリとドイツ語圏とでは変遷に大きな差があり、これが革の鞣し方に起因すること、②1830年以降から1840年代のパリに限定した場合、第1層に使用されていた油鞣しの革がフェルトとの間に音色的な互換性があったため、演奏法上の大きな変革は当初推測していたよりも小さかったことが明らかとなった。

研究成果の学術的意義や社会的意義

19世紀のハンマーヘッドは、現在の一般的なフェルト2層構造とは異なり多層構造であった。その第1層がフェルトに変わった後も、第2層以下には20世紀にいたるまで革が使用され続け、製作者あるいは年代ごとに多様なフェルトとの組み合わせが存在した。この目まぐるしい変化は、技術革新と経済効率によるものだが、ペダリング、スタッカート、スラーといった楽譜上に現れる作曲者の指示との関係で言えば、年代ごとに目まぐるしく変化したフォルテピアノの特性と関連づけながら解釈していく必要性があり、現代のピアノの特性に応じた一律な解釈では作曲者の意図は分かりえないことが明らかとなった。

報告書

(5件)
  • 2019 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2018 実施状況報告書
  • 2017 実施状況報告書
  • 2016 実施状況報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2020 2019 2018 2017 2016

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (6件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 【演奏研究】ベルエポックから大戦へ ドビュッシー&ラヴェル2020

    • 著者名/発表者名
      【演奏者】山名敏之、宮下直子
    • 雑誌名

      【演奏曲】ベルガマスク組曲、白と黒で、マ・メール・ロワ 、道化師の朝の歌、ラ・ヴァルス

      巻: ー

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [雑誌論文] 小倉貴久子の《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》第29回 J.B.アウエルンハンマー2018

    • 著者名/発表者名
      山名敏之、小倉貴久子
    • 雑誌名

      なし

      巻: なし

    • 関連する報告書
      2017 実施状況報告書
  • [学会発表] 日本音楽表現学会第16回大会 学会企画 音楽表現の伝統と伝承6̶楽器の「ヒストリカル」と「モダン」をどう考える 記譜に見るフォルテピアノの特性とモダンピアノの限界2018

    • 著者名/発表者名
      山名敏之・筒井はる香
    • 学会等名
      日本音楽表現学会
    • 関連する報告書
      2018 実施状況報告書
  • [学会発表] 革の変革とフェルト化 ――19世紀フォルテピアノのハンマーヘッドにみられる変遷について2018

    • 著者名/発表者名
      山名敏之・筒井はる香
    • 学会等名
      日本音楽学会
    • 関連する報告書
      2018 実施状況報告書
  • [学会発表] 1840 年代ウィーンのピアノ製作 ――バプティスト・シュトライヒャー(1796-1871)のパリへの憧憬と焦燥――2017

    • 著者名/発表者名
      山名敏之・筒井はる香
    • 学会等名
      日本音楽学会西日本支部 第36 回(通算387 回)例会
    • 発表場所
      同志社女子大学 今出川キャンパス
    • 関連する報告書
      2016 実施状況報告書
  • [学会発表] ピアノ製作と鉄の導入――19世紀ロンドン・パリ・ウィーン・ベルリンにおける比較――2017

    • 著者名/発表者名
      筒井はる香
    • 学会等名
      比較文明学会第33回関西支部例会
    • 発表場所
      同志社女子大学今出川キャンパス
    • 関連する報告書
      2016 実施状況報告書
  • [学会発表] フランス革命以降のピアノ製作の発展と音楽史の変遷2016

    • 著者名/発表者名
      筒井はる香
    • 学会等名
      比較文明学会第34回大会
    • 発表場所
      同志社女子大学今出川キャンパス
    • 関連する報告書
      2016 実施状況報告書
  • [学会発表] 打弦および止音素材が革からフェルトへ移行する変革期のフォルテピアノ研究2016

    • 著者名/発表者名
      山名敏之・筒井はる香
    • 学会等名
      日本音楽学会第67回全国大会
    • 発表場所
      中京大学名古屋キャンパス
    • 関連する報告書
      2016 実施状況報告書
  • [図書] シューベルト :フォルテピアノ による4手連弾作品全集第1巻 エキゾティシズムと対位法2019

    • 著者名/発表者名
      山名敏之、山名朋子
    • 出版者
      ALM Records
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [図書] 日本チェンバロ協会年報 創刊号 『W.A.モーツァルト:クラヴィーア・ソナタK.331の自筆譜一部発見(2014年)後の新しい2つの原典版(ヘンレ社、全音楽譜出版社)』2018

    • 著者名/発表者名
      山名敏之
    • 総ページ数
      152
    • 出版者
      アルテスパブリッシング
    • ISBN
      9784865591651
    • 関連する報告書
      2017 実施状況報告書
  • [図書] 音楽表現学のフィールド2 第1部第2章第2節 クラヴィーアソナタ》(KV331)における演奏様式の歴史的変遷  ―スラー分析からみえる演奏法2016

    • 著者名/発表者名
      山名敏之他23名
    • 総ページ数
      294
    • 出版者
      東京堂出版
    • 関連する報告書
      2016 実施状況報告書

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公開日: 2016-04-21   更新日: 2021-02-19  

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