研究課題/領域番号 |
16K02479
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
竹内 康浩 北海道大学, 文学研究科, 教授 (40251376)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | トラウマ / 混血 / 人種 / 探偵小説 / エディプス / マーク・トウェイン / アメリカ文学 / 推理小説 / 分割 / 創作原理 / 英米文学 |
研究成果の概要 |
マーク・トウェインの『ハックルベリーフィンの冒険』が元々は主人公の父親の殺人事件を巡る推理小説であったという作家の計画を研究することで、作家が父殺しのテーマに魅了されていたことを明らかにし、さらに作家の原罪ともいえるこの主題が、後には国家の原罪、すなわちアメリカにおける奴隷制の主題にすり替えられることを明らかにした。これにより、現在、人種問題に偏っているトウェイン研究を、作家が抱えていた個人的な罪の意識の探求に向かうよう、新たな問題提議を行った。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、トウェインの探偵小説群において、犯人像が非常にしばしば混血の息子であることを発見した。つまり、元来、トウェイン作品における人種問題のテーマは、作家の社会的・歴史的関心から生じていると考えられてきたが、本研究により、その人種問題でさえ、その根底には父と子の複雑な血縁という個人的な問題が存在していたことが明らかになったのある。この発見は、トウェイン研究をさらに作家のトラウマ研究へと向かわせる端緒となるであろう。また、一般の読者にとっても、社会問題よりも作家の個人的体験が文学を生み出すことを再認識させるものとなるはずである。
|