研究課題/領域番号 |
16K02551
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
玉田 敦子 中部大学, 人文学部, 教授 (00434580)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 18世紀 / 啓蒙 / ジェンダー / ナショナリズム / ナショナルアイデンティティ / フェミニズム / フランス / 国際共同研究 / 女性 / 国際情報交換 / 国際研究者交流 / 修辞学 / 崇高 / モンテスキュー / ルソー / 習俗 / 趣味 |
研究成果の概要 |
フランス啓蒙における《近代》の構想は、女性を二流市民として社会的に抑圧することに立脚するものであった。この点については1970年代初頭より、水田珠枝、スーザン・M.オーキンなどを嚆矢とするジェンダー史研究者によって指摘がなされてきたが、現在までフランス啓蒙が孕むジェンダー的な瑕疵はあくまで周縁的な問題とされてきた。本研究課題においては、道徳的規範である習俗と、美的規範である趣味が啓蒙期フランスにおいてそれぞれ大きく変容したことを女性に対する抑圧の一端と捉えることによって、17世紀に宮廷やサロンを中心に醸成された女性的な文化が批判され、男性的な習俗と趣味が称揚されるようになった経緯を考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
17世紀に宮廷やサロンを舞台とした雅やかな文化が発展したのに対し、啓蒙の世紀には「女性的なるもの」が貶められ、攻撃されるようになる。商業社会の興隆を背景にして発展した女性的な文化は、習俗と趣味にそれぞれ「洗練」をもたらすと考えられていたが、趣味や習俗は洗練されることによって「女性化」し、堕落するという声が大きくなっていく。本研究課題「18世紀フランスにおけるミソジニー(女性嫌悪)とナショナリズム」の学術的意義は、七年戦争以後におけるナショナリズムの台頭とともに顕著になるヒロイズムへの偏向が、18世紀フランスにおける習俗と趣味の男性化に与えた変容を浮かび上がらせることである。
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