研究課題/領域番号 |
16K02593
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
中国文学
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
柳川 順子 県立広島大学, 人間文化学部, 教授 (60210291)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 建安文壇 / 宴席 / 詠史詩 / 五言詩 / 歴史故事 / 語り物 / 楽府詩 / 建安文学 / 語り物文芸 / 曹植 / 画像石 / 中国文学 |
研究成果の概要 |
西暦3世紀初め、曹操(後の魏の武帝)の下に形成された建安文壇は、いくつかの新しい文学的潮流を創出した。本研究は、その中でも特に歴史故事を詠じた五言詩(詠史詩)に焦点を絞り、この新ジャンルが成立した経緯を、それ以前の漢代宴席文芸との継承関係という視点から明らかにしたものである。 建安文人たちの活動の場は宴席である。それに先立つ漢代の宴席では、五言詩歌が生成展開する一方、歴史故事をテーマとする語り物文芸も盛行していた。そこで、宴席という場を介して、詩歌と語り物とが出会って誕生したのが詠史詩であり、それを知識人の文学として洗練したのが建安文壇である。以上のことを論証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中国中世の初めに位置する建安文学は、後世の文学に大きな影響を及ぼしたことで広く知られる一方、先行する漢代文学との関係性は多く未解明であった。これに対して本研究は、文学活動の場というものに着目し、建安文学の本質を、長らく伏流してきた漢代宴席文芸を発展的に継承し、知識人の文学に昇華させたものと捉えた点で画期的である。これにより、建安文学の歴史的位置は定まったと言えるだろう。一例として、詠史詩という新ジャンルの成立経緯を、詩歌と語り物という異なる分野の文芸が、宴席という場を介して出会って誕生したものと解明し得たことは、上記の視座が有効であることを示している。
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