研究課題/領域番号 |
16K02601
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
橋本 順光 大阪大学, 文学研究科, 教授 (80334613)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 黄禍論 / アジア主義 / 岡倉覚三 / タゴール / 風刺画 / クラ運河 / タイ / 末松謙澄 / クラ地峡 / 幸田露伴 / キャリントン(H. Carrington) / シャストリ(H. P. Shastri) / 稲・ブリンクリー(Ine Brinkley) / インカ帝国 / 久米民十郎 / Asiatic Association / ステッド(W. T. Stead) / 神智学 / シャストリ(H.P.Shastri) / ポール・リシャール(Paul Richard) / ミラ・リシャール(Mirra Richard) / ニヴェディタ(Sister Nivedita) / 大川周明 / 大亜雑誌(Asiatic Review) / 南進論 / ロープ・マジック / フランク・バック / 昭和天皇 / タイ(暹羅) / インド / ハンティング(狩猟) / 欧州航路 / 比較文学 / 英文学 / 冒険小説 / 南洋一郎 / 高垣眸 |
研究成果の概要 |
黄禍論とアジア主義の言説が日英で複雑に転用される相互関係を、以下の2つの局面において明らかにすることができた。第1に小説の転用。日英同盟の更新に水を差した英国の黄禍論小説や、英国の帝国主義を転用した日本のアジア主義小説などを発掘した。第2に図像の往還。風刺漫画やプロパガンダのポスターなどの転用、インドをめぐるステレオタイプな図像の成立を指摘した。それらをふまえ、英国の諜報活動報告を調査し、アジア主義をめぐる複雑なネットワークの一端を解明することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
岡倉覚三とタゴールというアジア主義を牽引した思想家が、共にインドでディキンソンの『中国人の手紙』に啓発され、東洋的価値観を形成していた可能性が明らかになった。日本のアジア主義的な言説や小説の英国起源と同時に、英国の代表的な黄禍論小説である『キモノ』(1921)が、皇太子時代の昭和天皇の訪英時期を狙って刊行された可能性が高いことが判明し、言説の相互関係と文脈を新たに解明することができた。あわせて、大川周明やR. B. ボースなどのアジア主義者を内偵していたH・P・シャストリの活動報告を英国公文書館で調査し、アジア主義者の知られざる一面を発掘することができた。
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