研究課題/領域番号 |
16K03075
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
アジア史・アフリカ史
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
太田 信宏 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (40345319)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | マイスール / 藩王国 / 植民地支配 / カンナダ文学 / 歴史叙述 / ジェンダー / 王権論 / 紙文書 / インド史 / マイスール王国 / 宮廷文学 / 植民地的近代 / 修辞学 / 東洋史 |
研究成果の概要 |
植民地インドにおいてイギリスの宗主権のもとで現地権力者が支配した藩王国のひとつであるマイスール(マイソール)藩王国では、藩王の直接・間接の庇護のもとで現地語であるカンナダ語による文芸・学芸活動が継続的に展開された。その活動から生み出された「伝統的」な詩文学作品や歴史書に見られる王の権威と地位をめぐる言説や表象には、王と広範な一般臣民との感情的な紐帯の強調、王の神格化、王家の政治的可視化など、英領期以前にはあまり見られなかった要素が前面に押し出されている。植民地支配という新たな状況のもとで王の権威を再構築する試みの一環として、これらを位置付けることができる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
インド社会の植民地近代における文化的変容をめぐる議論は、イギリス直轄地域の事象をもとに組み立てられてきた。それまでの「伝統的」な社会の中心に位置していた王権が存続した藩王国における文化的変容、特に王権をめぐる観念や言説の変化を明らかにしたことは、近現代インドの文化的変容のより包括的で均衡のとれた理解にも資する。また、植民地期の藩王権力については形骸化がしばしば強調されるが、本研究が明らかにしたマイスールの事例は藩王権力の主体性と柔軟性にあらためて目を向けさせるものである。
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