研究課題/領域番号 |
16K03126
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長井 伸仁 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (10322190)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | フランス / 歴史 / 近代 / 戸籍 / 国家 / 個人情報 / 近代化 / 公民意識 |
研究成果の概要 |
パリ市の民事籍簿は1871年の火災により大半が焼失したが、その約3分の1は関連文書などをもとに復元され、代替の民事籍記録として用いられた。本研究は、この復元事業を調査することで、個人情報の管理についての行政・市民双方の意識を析出するものである。研究の結果、国とパリ市はおおむね事業を重要視していた一方で、協力を拒んだ行政組織もあったこと、住民にも無関心ないし消極的な姿勢がみられたことなどが明らかになった。19世紀後半のフランスは、統治機構の整備と公民意識の浸透のいずれにおいても、いまだ近代国家とは言いがたかったのである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今日、行政が市民の基礎的個人情報(氏名、生年月日、家族構成など)を把握し適宜活用すること、市民自身がそうした情報を必要に応じて公文書によって証明できることは、自明である。しかし、19世紀後半のフランス・パリでおこなわれた民事籍簿復元事業の際、行政や住民の一部には非協力的な姿勢がみられた。当時のフランスでは、行政による個人情報の把握と、市民によるその利用とは、自明のことではなかった。私たちになじみのある統治技術や公民意識は、歴史のなかで徐々に形成されていったと考えられる。
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