研究課題/領域番号 |
16K03138
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
前川 一郎 創価大学, 国際教養学部, 教授 (10401431)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 植民地責任 / 歴史認識 / 歴史教科書 / イギリス / 植民地主義 / イギリス史 |
研究成果の概要 |
本研究は、イギリス政府が今日まで、植民地支配がもたらした苦痛や被害に対する謝罪や補償(「植民地支配責任」)の求めに応じようとしなかった背景に、かつて「文明化の使命」といわれた支配理念(近代西欧的理念)は決して否定しない、この国特有の歴史認識があったことを、歴史教科書やメディアにあらわれる植民地主義の過去をめぐる言説を中心に分析して明らかにした。そうした歴史認識を抱いている政府が、植民地主義下の虐殺等に対する賠償に応じる姿勢を見せながら、それらをあくまでも個別事例として扱い、植民地主義全体の不正義の問題は不問に付す一種の二重思考的態度を育んできた歴史的経緯を解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究には、イギリスの歴史認識と「植民地支配責任」の問題を実証的に検討するイギリス現代史研究としての意義がある。しかし、歴史教科書を素材に歴史認識の国際比較を志向している点に、より大きな学術的意義と社会的意義とがあると考えている。とりわけ、植民地主義下の個別の残虐行為と、植民地主義全体の不正義とを切り離してとらえるイギリスの「二重思考」をめぐる議論は、今後に研究に対して重要な問題提起となろう。
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