研究課題/領域番号 |
16K03251
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎法学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
桑原 朝子 北海道大学, 大学院法学研究科, 教授 (10292814)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 近世日本 / 家 / 相続 / 社会構造 / 御家騒動 / 御家物 / 意識 / 比較 / 武士 / 町人 / 家筋 / 器量 / 演劇 / 西欧 / 鍋島騒動 / 武家 / 加賀騒動 / 赤穂事件 / 対立 / 伊達騒動 / 子殺し |
研究成果の概要 |
本研究は、近世日本に特徴的な、大名家の相続に関する御家騒動とそれを素材とする文芸である御家物の分析によって、家と相続をめぐる武士と町人の意識、及びその背後の社会構造の解明を試みた。その結果、御家騒動の多発の要因には、特に17世紀後期以降の、主君個人よりも御家の存続を重視する方向への武士の意識変化や、藩政改革をめぐる家臣間の対立があり、それにやや遅れる御家物の隆盛とその内容の変化には、家業を手堅く守り継ぐ経営への商家の方針転換等が関わっていることが分かった。また、相続を扱った近世フランスと中国の文学との比較により、経済的階層の連帯の弱さといった、近世日本の社会構造の顕著な特徴も明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の主たる学術的意義は、法制史料に加えて文学史料の本格的な分析を行うという独創的な手法により、従来の御家騒動等の研究では十分解明されていなかった、近世日本の家や相続をめぐる武士や町人の意識の問題を、その通時的変化や変化の要因まで含めて実証的に明らかにしたことと、近世中国とフランスとの比較という広い国際的観点から近世日本の社会構造の特徴を浮き彫りにしたことにある。さらに、本研究が明らかにした意識や社会構造の問題は、同族経営企業の多さや組織の重視など、現代日本の社会構造に見られる問題にも通じており、その解明に資するという社会的意義も有するといえる。
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