研究課題/領域番号 |
16K03556
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
理論経済学
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
松本 昭夫 中央大学, 経済学部, 教授 (50149473)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 固定時間遅延 / 連続分布遅延 / 経済成長 / 不完全競争 / 安定性交代 / 複数の時間遅延 / 非線形動学 / 遅延動学 / delay dynamics / Solow growth model / cournot oligopoly model / fixed delay / distributed delay / NPS pollution / environmental policy / nonlinearitiy / 投資遅延 / 非線形加速後原理 / 安定性変換 / 消費遅延 / 貯蓄遅延 / 極限循環 / 多重安定性 / 時間遅延 / 非線形動学システム / 非線形性 / マクロ動学 / ミクロ動学 / 数値分析 / 不安定性 / 経済動学 / 複雑性動学 |
研究成果の概要 |
時間遅延を含む動学分析の重要性は1930年代頃から認識されていたが、遅延微分方程式システムは状態空間が無限次元となり解析的分析が難しく、遅延に起因する不安定性の考察は十分行われてこなかった。本研究では、近年進展した数理分析と数値分析を基礎に、独占、寡占を含む不完全市場におけるミクロ的な遅延動学の分析と新古典派経済成長モデルに複数の遅延を導入したマクロ遅延動学分析と応用として環境汚染に対する環境政策の有効性について分析した。 主な成果は以下である。定常解の安定性が満たされない場合でも、モデルの非線形性と遅延効果の相互作用により、極限循環や周期倍化分岐を通じてカオスを含む複雑な動学が出現する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
単一時間遅延動学システムの分析はすでに確立しているが、複数の時間遅延をもつ動学システムの解析は不十分であった。本研究は経済学の様々なモデルに時間遅延を導入し、それが動学に及ぼす影響について数理的かつ数値的に分析を行い、以下の点を明らかにした。複数遅延システムにおいては遅延の不安定効果に加え、質的に異なる効果、遅延の長さが変化するに従い安定性交代と呼ばれる「安定から不安定」への転換と「不安定から安定」への転換が交互に起こること、周期倍化を繰り返しながら、カオスを含む複雑な動学が出現することを示すことができた。これにより現実の経済で観察される持続的不規則変動を数理的に説明することが可能になる。
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