研究課題/領域番号 |
16K03713
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
財政・公共経済
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小西 秀樹 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (50225471)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 純社会支出 / 社会保障システム / 再分配効果 / 隠れた福祉国家 / ダイナミックパネルモデル / 所得再分配 / 動学パネル分析 / 社会保障 / 政治経済学 |
研究成果の概要 |
本研究では,OECDが公開している純社会支出のデータを用いて,社会保障システムの再分配効果について再検討を行った.社会保障システムの再分配効果に関する従来の推計では粗社会支出が用いられてきたが,本研究では政府による社会保障給付への所得課税,租税特別措置などを通じた租税支出,民間ベースでの私的社会給付の供給義務づけなどを考慮した,純社会支出に焦点を当てている.動学的パネル分析の結果,私的社会給付の割合が大きい国ほど社会保障システムの再分配効果が小さく,アメリカなどのいわゆる「隠れた福祉国家」では社会保障システムは統計的に有意な再分配効果がないことが明らかになった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的には,これまでほとんど注目されてこなかった純社会支出概念を用いて社会保障システムの再分配効果を,本格的な計量分析によって計測し,いわゆる「隠れた福祉国家」では社会保障制度に再分配効果がほとんど認められないことを明らかにした点に意義がある.社会的には,これからの日本のように高齢化にしたがって民間ベースでの社会保障給付の供給が重要性を増す社会では,分配不平等の抑制という観点からは所得税や消費税を通じた再分配の強化が必要になるということを明らかにした点に意義がある.
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